愛しのハーフ・ムーン 1987-08-08
解説
女優の原田美枝子が発表した同名小説をもとに、斎藤博が脚本を執筆し滝田洋二郎がメガホンをとった。主演の伊藤麻衣子(いとうまい子)は、事前に知らされていなかったヌードシーンを、現場で突然撮影されたという。
杉野洋子は二十三歳のOLで、大学時代から付き合いのある横山おさむと石田弘一という男友達がいた。洋子は真面目なおさむに惹かれプロポーズを受諾、結婚式の準備で多忙を極めていた。だが洋子は「本当にこの人で良いのだろうか」と、マリッジブルーに陥っていた。些細なことからおさむと喧嘩をした洋子はアパートを飛び出し、翌日、弘一に伴われてやってきたおさむと、同僚のOL由美とともに飲みに出かけた。数日後、デートの誘いを断られたおさむは洋子のアパートを訪ね、彼女の姉レイ子とベッドを共にしてしまう。
あらすじ
23歳のOL、杉野洋子には、横山と石田という大学時代の先輩で好対称の性格のふたりの男友だちがいる。ふたりとも洋子を想っていたが、洋子は真面目で直情型の横山に次第に魅かれるようになっていた。そして、横山のプロポーズを承けたのが昨年のことだった。今年の夏、横山と洋子は結婚式場さがしで大忙し。そんな中で洋子は胸にふっきれないものを感じはじめていた。平凡な人との結婚は本当に幸福なのだろうか……と。疲れた足どりで横山のアパートに戻ったふたりだが、一方的に体を求め命令口調な横山に腹をたてた洋子は部屋を飛びだした。翌日、昨日のことを会社の同僚・由美に話す洋子。そこに横山を連れて石田が痴話喧嘩の調停役として現われた。終業後、四人は飲みに出かける。意気投合した石田と由美はホテルへ。横山は洋子のアパートまで送り、洋子と暮らす姉、レイ子に一度も会っていないことを話題にした。洋子の顔が一瞬こわばった。レイ子はその日暮らしの自由奔放な生き方をしているのだった。数日後、毎日会いたがる横山をうっとおしく感じた洋子は、初めてデートを断った。失望しヤケ酒をあおった横山は洋子のアパートを訪れた。洋子は不在で、初めて顔を合わせたレイ子と話しているうちにベッドを共にしてしまう。そのことを知った洋子は横山の大切さを改めて確信した。翌日、レイ子が横山、石田、由美とアパートに戻って来た。レイ子に夢中な石田に逆上した由美はナイフ片手にレイ子をめがけた。かばった石田の腕から血が流れ、これがきっかけで石田とレイ子は結婚することになった。結婚式の当日、横山はとうとう現われなかった。石田と真剣に話し合った洋子は、もう一度横山との愛を育てるために彼のアパートへ向かった。