一心太助 男一匹道中記 1963-01-15

公開:1963-01-15/製作:1963年    old
日本
 

解説

 中村錦之助が将軍徳川家光と魚河岸の一心太助の二役を演じ分け人気となったシリーズ最後の作品。監督は前作に引き続き沢島忠、脚本は沢島と那須美三が担当した。新婚旅行に出かけた太助が、魚の取引をめぐる陰謀に巻き込まれる。
 江戸の魚河岸で鯛の価格が暴騰し、1匹1両に値上がりしてしまった。一心太助は店を閉め、妻お仲と1年遅れの新婚旅行に出かけることに。駿河では1匹100文という安値で鯛が取引されていたが、青濱村というところで安く買い取った鯛を江戸に出荷しないようにしていることが判明。村は悪代官とやくざの浜熊、そして網元の若村屋に支配されていた。旅の途中で知り合ったチンピラの源太は、父親を浜熊に殺されたことを知り、暗殺を企てるが失敗し村に逃走。追ってきた浜熊の子分たちは村を家捜しするが、太助は「親分が危ない」と嘘をつき、子分たちを追い返してしまう。

あらすじ

最近の魚河岸は活気がない。鯛の入荷が少くなり一尾が一両にも値上り、太助もすっかりくさってしまった。そこで考えたのが、女房お仲と新婚一周年を記念して旅にでることたった。途中、太助夫婦は奇妙な強盗に逢った。腹がへって動けない強盗で、名前を浜木綿の源太と名乗った。程ケ谷の宿についた太助は驚いた。膳に見事な鯛がでたからだ。行商の娘が安く売り歩いていると聞いて、太助はその娘達を追いかけた。その娘達は、浜熊の子分達に取り囲まれていた。太助は娘達を助けてやった。娘達は青浜村の漁師の娘お静達だった。お静達と青浜に来た太助は、浜熊と土地の豪商若浦屋が組んで、鯛の出荷を抑え大儲けを狙っているのを知った。そこで太助はまた源太に逢った。源太は青浜の生れで、父親が浜熊に殺されたことから、復讐を誓って村を飛び出していたのだ。お静は源太の恋人だが、源太の方は、お静と村の若者竜吉との仲を誤解していた。或る夜、源太は銛で浜熊を狙って失敗、村へ逃げ帰った。浜熊の子分らは、源太がみつかるまで、村中の家を叩きこわし火をつけると言いだした。村中は大騒ぎとなったが、太助の機転でその場は巧く逃れることが出きた。しかし、漁師達も浜熊の仕打ちに我慢ができなくなった。太助を先頭に、永年の恨を晴らすべく若浦屋と浜熊を襲った。この争いに竜吉は死んだが源太は浜熊をしとめた。だが、これは御法度の一揆である。さすがの松平伊豆守も弱ったが、若浦屋から代官所あてに出した手紙が証拠となって、太助達は釈放された。折角の新婚旅行もフイになった太助夫婦だったが、江戸中の人が安い魚に喜ぶ姿を見て、何よりも心が慰められるのだった。

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