ふみ子の海 2007-10-13

監督: 近藤明男
脚本:篠原高志
公開:2007-10-13/製作:2007年    old
日本
 

解説

大正から昭和を力強く生き抜いた盲目の教育者、粟津キヨの少女時代の実話を基にした感動作。高橋恵子や高橋長英などベテランがしっかりと脇を固める中、アイドルの鈴木理子が感受性の鋭い盲人の少女という難役を好演する。また、見事な演奏を披露する“ごぜ”つえと笛を手に仕事をとる“あんま”といった、盲目の女性の文化を丁寧に描写。ハンディキャップをもつ彼女たちがこの時代に生きる厳しさを、ストレートに訴えかける。

あらすじ

戦争の音が徐々に近づきはじめていた昭和初期の新潟県頚城郡。寒村に生まれたふみ子(鈴木理子)は、その貧しさゆえに幼くして盲目となってしまう。夫に先立たれ、女手ひとつでふみ子を育てる母チヨ(藤谷美紀)は、滝壺薬師住職の慈光(高橋長英)に眼病祈願をするが、回復の見込みがないことを告げられる。絶望したチヨは、荒々しく波が砕ける日本海にふみ子と向かう。見えなくとも、波が光る様子を感じたふみ子は「海って、きれいだね……」とつぶやき、その言葉と笑顔にチヨは入水自殺を思いとどまる。昭和10年、8歳になったふみ子の家に、慈光のはからいで盲学校の若い教師、高野りんが訪れる。りんはふみ子に点字を教え、盲学校への進学を勧める。しかし貧しい母子にゆとりはなく、本家の大旦那である善吉(中村敦夫)にも進学より働くべきと言われ、経済援助は叶わない。新潟県高田の按摩屋が弟子にしてくれる口もあるという。それでも盲学校へ通わせたいと奮起するチヨだったが、病に倒れ、ふみ子は母のためにも按摩屋で働く決心をする。高田の按摩屋、笹山タカ(高橋惠子)の弟子となったふみ子。タカは自身も全盲であるがゆえに、厳しく弟子たちを指導し、一番年下のふみ子も例外ではなく、来る日も来る日も修行の毎日がはじまる。弟子仲間や心あたたかい人々に支えられながら、ふみ子は一人前の按摩へと成長していく。そんなある日、ふみ子は高野りん先生と再会する。一度は諦めた盲学校への進学だったが、タカには内緒でりん先生の家へと通い、点字を習い始める。いつしかヘレン・ケラーの自伝をも読めるまでに上達したが、しかし運命はふみ子に思いがけない試験を与えるのだった……。

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