WARU ワル 2006-02-25
解説
過去に12回も映像化された真樹日佐夫原作の人気劇画シリーズ「ワル」を、『ゼブラーマン』の三池崇史監督と哀川翔主演のコンビで映画化。冷酷な極東マフィアに闘いを挑む主人公の壮絶な生きざまを、三池節全開のリアリズムに徹したバイオレンス描写の数々で活写。松坂慶子、石橋凌、萩原流行らベテラン勢が確かな演技力で脇を固めるほか、格闘家の前田日明、初代タイガーマスクの佐山サトルなど異色キャストの奮闘にも注目。
あらすじ
氷室洋二(哀川翔)は暴力団との抗争で服役中、刑務所で更級十朗(真樹日佐夫)と運命的に出会う。出所後は、更級の主催する「地平同」の仕事を手伝う日々を送っていた。その仕事とは、極東マフィアの資金源とされる悪徳芸能プロ、誘拐専門カンパニー、地下賭博組織などを叩き、隠し金を吐き出させることだ。「地平同」の世直しは着々と進んでいたが、冷酷な極東マフィアの総支配人・王は、更級と氷室への「絶対暗殺指令」を下す。氷室は、父の遺した剣道場「無心塾」に、高校時代の恩師・美杉麗子(松坂慶子)と同居し、「地平同」の副長・源氏、若手の同志らと剣の稽古に余念のない日々を送っていた。一方更級は、子連れの小料理屋の女将・あや子と入籍し、新婚旅行に出かけるが王の部下である暗殺部隊にあや子と息子・広が誘拐される。救出に向かった更級は、身を挺して2人を救うが、凶弾に倒れる。かねてから「地平同」をマークしていた県警本部保安課係長・桜木は、氷室の「弔い合戦」を警戒。だが、それより早く氷室は行動を開始していた。極東マフィア内でも、部下の羅が王を殺害する謀反が起きる中、氷室は殺戮を繰り広げ、大激闘の末に湖上で羅を討ち取る。だが、氷室自身も湖底に沈み、消息を絶った……。半年後、来日中のアメリカ大統領夫人が誘拐される。「海神(わたつみ)の牙」という反米組織から大統領に犯行声明のメールが届き、その中に「海自艦隊の即時撤退を日本国に指示せよ」の一文があった。官邸では極秘会議が開かれ、撤退の指示がなされない場合、夫人は処刑されるという。そんな中、剣道場・敷島館に捜査の矛先が向かい、館長・大和礼にいち早く接触したのは、死んだはずの氷室だった。