結び目 2010-06-26
監督:
小沼雄一
脚本:港岳彦
公開:2010-06-26/製作:2009年
old
解説
『都市霊伝説 心霊工場』などの小沼雄一監督による大人の愛の物語。かつて教師と教え子として禁断の関係を結んだ男女が再び出会い、互いに既婚者でありながらも激しく惹(ひ)かれ合っていく官能のドラマを、緊張感たっぷりに描き出す。本作で映画初主演を飾るのは、劇団「黒色綺譚カナリア派」主宰の個性派、赤澤ムック。相手役を『大強盗 ~ギャングな奴ら~』の川本淳市が好演する。人間の業の深さを描きながらも、不思議と爽快(そうかい)感に包まれる秀作。
あらすじ
結婚を機に、地元である平凡な地方都市に戻ってきた絢子(赤澤ムック)は、認知症で満足なコミュニケーションもとれない義父・将司(上田耕一)の世話に追われ、夜は夫・雁太郎(三浦雅己)の相手をする日々。単調な生活のなか、満たされない想いを抱いていた。ある日、絢子はクリーニング店に洋服を預けに行く。そこで、14年振りにかつての恋人・啓介(川本淳市)と再会する。当時、中学生だった絢子と教師だった啓介は恋に落ちた。純粋な気持ちから始まった関係だったが、小さな町で噂はすぐに広がり、啓介は教職を追われた。現在、啓介はクリーニング職人として、妻・茜(広澤草)とささやかながら幸せな暮らしを築いていた。しかしその日を境に、2人の日常は一変する。啓介は、絢子のニットのクリーニングを仕上げると、そこに赤いリボンを忍ばせる。それは、2人が逢瀬を重ねた森で、自分が待っていることを知らせるために絢子が木に結んでいた印だった。絢子はそれを見ると、今の啓介をつくったのは自分だと確信し、彼女のなかで何かがはじける。絢子の甘い記憶は暴力的な衝動となり、啓介もそれに応える。理性が崩壊し、情念が限界を越えた2人は、新たな官能に達する。