カモとねぎ 1968-03-16

公開:1968-03-16/製作:1968年    old
 

解説

 松木ひろしと田波靖男のオリジナル脚本を、谷口千吉が監督したコメディ。名優・森雅之の変装と百面相が楽しめる、珍しい作品。
 ダンディな石黒信吉はベテラン詐欺師で、“貴族詐欺師”と呼ばれていた。子分の丸木久平と森洋介を従え、信吉は競艇場で300万円をだまし取ることに成功するが、金の入ったカバンを麻美に持ち逃げされてしまう。麻美はぼったくりバーのホステスで、金は旦那の保釈金に使ってしまったという。仕方なく麻美を仲間に引き入れた信吉は、工業廃水を川に垂れ流している工場を狙うことに。まんまと工場から書類を盗み出した信吉たちは、その内容をもとに本社の社長を強請るのだが、専務が手配したやくざに命を奪われそうになってしまう。

あらすじ

その端正な風貌から“貴族詐欺師”と呼ばれる石黒信吉とキザなチンピラ丸木久平、発明狂の堅物森洋介の三人の詐欺師は、競艇で八百長を仕組み、まんまと三百万円を手にしたが、丸木と森の不注意からその金を謎の女に持ち逃げされてしまった。女の残したマッチを手掛りに、三人はようやくのことで暴力バーのホステスである女、麻美を見つけたのだが彼女は情夫の保釈金にその三百万を使っていた。たまたま、麻美が金庫破りの技術を持っていたことから、彼女が仲間に入ることになり、信吉はフイになった三百万円の穴埋めに、ある暴力バーに税務署員に化けて乗込み、支配人から脱税の口止め料として大金をせしめたのである。ある日、信吉はベトナム特需でボロ儲けの東西油脂工場に目をつけ、大仕事を企んだ。工場の廃液による地元の奇病をネタにしようというのである。信吉は新聞記者に化けて奇病の実態を調べるうち、この公害の犠牲者を父に持つ芳江を知ったが、彼女の黒髪に、戦時中の悲しい恋を想い出し、ファイトを燃やした。工場の中庭に埋まっているという昔の不発弾を掘り出すという名目で自衛隊不発弾処理班になりすました信吉たちは、緊急避難命令で混雑する工場の金庫から、二通の書類を手に入れた。一通は廃液を有害とする研究報告書で、他のは秘かに製造しているナパーム弾の米軍との受注契約書だった。東西油脂の生命を握るこの書類のうち研究報告書の方を芳江に渡した信吉は、残りの一通で勝負に出た。しかし、東西油脂の大井社長もしたたか者で、信吉たちは彼の罠にはまり、書類を取り上げられたうえに、生命まで奪われそうになった。その危地を麻美の機転で助かった詐欺師たちは、「オレたちが悪いことをするのは仕方がないが善良な市民が悪事を企むのは許せない」という妙な理屈で、猛然と反撃にうつった。信吉たらは緻密な作戦を立て、ゴルフ場から大井を誘拐し、麻酔から醒めた大井にそこの地下室が、沖縄の基地の一室と思い込ませた。そして機密書類を暴露したということでMPに引き渡すと脅すと、さしもの大井も、口止め料として三千万円を支払わざるを得なかった。

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