冬の河童 1995-11-11
解説
「メロデ Melodies」の風間志織が脚本・監督・編集を務めた初メジャー作品。田辺誠一の映画デビュー作でもある。ロッテルダム国際映画祭の最優秀作品賞(タイガー・アウォード)と日本映画プロフェッショナル大賞の新人監督賞を受賞した。木村威夫が美術監督を担当。
川の近くにある古びた家には、ピアノ講師の一太郎とその異母弟で無職のタケシ、そして二人の父の愛人の連れ子であるツグオの三人が暮らしていた。一週間後に取り壊しが決定しているその家に、いとこのサケ子が現れた。彼女はみんなの引越を手伝いに来たのだった。だがタケシに好意を抱いていたサケ子の登場は、タケシの恋人の玉子も巻き込んで、複雑な三角関係が交差する事態に発展してしまうのだった…。
あらすじ
ピアノの教師である一太郎と、彼の異母弟でプータローのタケシ、そして彼らの父の愛人の連れ子で絵を描くことが好きなツグオの三人は、川の近くにあるあと一週間で取り壊しの決定した古びた家に住んでいた。そんな日、いとこのサケ子が彼らの引っ越しの手伝いをするためにやって来る。初めは懐かしさやそれぞれの成長ぶりに興味を覚えつつ、うまくやっていく四人だったが、タケシに好意を抱いていたサケ子の登場は、タケシの恋人・玉子の嫉妬心をひどく煽り立て、また一太郎にひそかな恋心を抱いていたツグオは、サケ子に魅かれていく一太郎を見て気が気ではなくなってしまう。サケ子を中心に2つの三角関係が交差し、彼らの関係はギクシャクしていった。そんな中、玉子だけはそんな状態に白黒つけようとサケ子に対峙し、姿を消すように言う。そのこともあってサケ子は一太郎と寝るが、一太郎からの結婚の申し込みは断る。そして、いよいよ取り壊しを明日に控えた夜、タケシは玉子と一緒に家を出て、サケ子と一太郎、ツグオの三人が家に残されるのであった。