さまよう刃 2014-09-06
解説
日本でも寺尾聰主演で映画化された東野圭吾のベストセラー小説を、『殺人の告白』などのチョン・ジェヨンを主演に迎え韓国で映画化した衝撃の復讐(ふくしゅう)劇。大事な一人娘を少年たちに陵辱(りょうじょく)された揚げ句に殺害された父親の煩悶(はんもん)と、血も涙もない事件にまつわる人々がそれぞれ抱える苦悩に迫る。ベテラン刑事を、『凍える牙』などのイ・ソンミンが熱演。加害者と被害者、罪と罰という単純な構図とかけ離れた人間の深い業と宿命に涙する。
あらすじ
ある朝、東京の川べりで無残な制服姿の女子中学生の死体が発見される。現場にやってきた刑事の織部(竹之内豊)と真野(伊東四郎)は、遺体に強姦と薬物注射の痕跡があることを知る。娘と遺体安置所で対面した少女の父親、長峰重樹(寺尾聰)は、その変わり果てた姿に泣き崩れる。妻を亡くして娘の成長だけを楽しみに生きていた長峰は、失意のどん底へ突き落とされ、生きる気力すら失ってしまう。そこへ、謎の留守電メッセージが届く。それは、娘を殺した2人組みの犯人の名前と、その1人の住所を告げるものだった。半信半疑でその住所へ向かった長峰が見つけたのは、娘をレイプする犯人の姿が映ったビデオテープ。激しい怒りに駆られた長峰は、帰宅した犯人の伴崎に刃物を突き立てると、もう1人の犯人、菅野を追って姿を消すのだった。一方、事件を捜査していた織部と真野のもとには一通の手紙が届く。差出人は長峰。伴崎を殺したことを告白する内容だった。手紙には、未成年である犯人に対する刑罰の軽さへの抗議と、それをどうしても許せない自分の心情が綴られていた。それを読み、長峰の心情を察した織部は、“警察のしていることはなんなのか”と真野に詰め寄る。殺人犯として指名手配される長峰。そのころ、彼は長野にいた。伴崎から聞き出した“長野のペンション”という手がかりを頼りに菅野を追っていたのだ。織部と真野も、伴崎の自宅から押収したビデオテープから菅野の潜伏先を割り出し、長野へ向かう。運命に導かれるようにペンション跡地で対峙する長峰と織部。やり場のない憤り、不条理に突き動かされ、物語は衝撃の結末へ向かっていく……。