37セカンズ 2020-02-07
解説
出生時に37秒間呼吸ができなかったために、手足が自由に動かない身体になってしまった女性の自己発見と成長を描き、第69回ベルリン国際映画祭パノラマ部門で観客賞とCICAEアートシネマ賞を受賞した人間ドラマ。脳性麻痺の貴田夢馬(ユマ)は、異常なほどに過保護な母親のもとで車椅子生活を送りながら、漫画家のゴーストライターとして空想の世界を描き続けていた。自立するためアダルト漫画の執筆を望むユマだったが、リアルな性体験がないと良い漫画は描けないと言われてしまう。ユマの新しい友人で障がい者専門の娼婦である舞は、ユマに外の世界を見せる。しかし、それを知ったユマの母親が激怒してしまい……。主人公のユマと同じく出生時に数秒間呼吸が止まったことによる脳性麻痺を抱えながらも社会福祉士として活動していた佳山明が、オーディションで見いだされ主演に抜てき。母親役を神野三鈴、主人公の挑戦を支えるヘルパー・俊哉役を大東駿介、友人・舞役を渡辺真起子がそれぞれ演じる。ロサンゼルスを拠点に活動するHIKARI監督の長編デビュー作。
あらすじ
生まれた時にほんの37秒間、呼吸が止まっていたことが原因で、手足が自由に動かせない身体になってしまった貴田ユマ(佳山明)。彼女は親友の漫画家のゴーストライターとして働き、自分の作品として世に出せないことに寂しさと歯がゆさを感じていた。そして、シングルマザーで、ユマに対して過保護になる母・恭子(神野三鈴)との息苦しい生活。日々、自分にハンディキャップがあることを突き付けられながらも、23歳の女性として、望んでいいことだってあるはず、という思いとの狭間で揺れながら生きていた。そんな時、ある出来事をきっかけに、ユマの人生は大きく変わり、自らの力で『新しい世界』を切り開いていくことになるが……。