待ち濡れた女 1987-12-19
解説
高橋揆一郎の短編小説『雨ごもり』をもとに、荒井晴彦が脚色し上垣保朗が監督したロマンポルノ。
接近する台風に備え、山間の一軒家に一人で暮らすつやは買い物に出かけた。その途中、彼女は河原に車を止めた一組のカップルを目撃する。買い物から戻ると、玄関の前で別居している夫の長吉が待ち構えており、つやに復縁を迫った。しかしつやが断ると、長吉は現金を置いて帰って行くのだった。翌日も長吉がやってきたが、つやは昨日と同じように追い返した。欲望に体がうずいたつやは家を出て、たまたま出会った春夫と体を重ねた。春夫は、ひき逃げし車を河原に捨てたものの、台風で電車が止まってしまい足止めをくらったカップルの一人だった。
あらすじ
台風が近づき雨と風が強くなったある日、つやの住む山間の一軒家に別れたはずの夫・長吉がやって来た。浮気が原因で喧嘩別れした2人だが、4ヵ月たって長吉は復縁を迫ってきた。つやには戻る気はなかったが、長吉は5万円をそっと机の上に置いてその日は帰っていった。そのころ春生と典子の若いカップルが雨の中車を走らせていた。2人の表情はいくぶんこわばっていたが、ドライブの途中で別れ話がこじれ喧嘩になった際、引き逃げしてしまったのである。川原で車を捨て、駅に行ったが、折からの台風で電車が止まっているので、近くに宿を取った。翌日もつやは大雨の中やって来た長吉をむべもなく追い返したが、心は揺れていた。ぼんやりと道を歩いていたつやの後を春生がついて来た。さっき車を処分するところをつやは見てしまったのだ。春生は典子とのSEXに飽きて別れようとしているのだった。つやは春生を家に入れ、話を聞いてやった後に抱かれた。そのころ、長吉も駅前で足止めをくらい、近くスナックでママとねんごろになっていた。つやが長吉と別れたのは決して飽きたからではなく、嫌いになったからだった。翌朝春生は新聞で引き逃げされた被害者が意識を回復したことを知った。彼はつやと寝たことで売春をした典子を許せる気持ちになっていたが、今度は彼女のほうが別れたいと言った。飽きたのではなく、嫌いになったのだという。激しい風雨をもたらした台風もそろそろ通り過ぎようとしていた。つやは家で仏壇に向かってお経をあげていた。そばには長吉が手持ちぶさたにしている。正座しているつやの足の裏を見ながら、長吉はちょっかいを出した。つやは「お願い。やめてください」と言ったが、長吉はかまわず尻を撫で、胸をまさぐっている。そして、2人は体を合わせるのだった。