シークレットワルツ 1996-11-13
解説
「男たちの挽歌」のツイ・ハークと自主製作映画「ダイヤモンドの月」で高い評価を得た野火明の二人による原案を映画化した、野火にとって初の劇場用長編作品。「国会へ行こう!」の斉藤ひろしが野火と共同で脚本を執筆した。
血のつながらない姉弟のマキと慎二は、泥酔しているサラリーマンから財布を盗んだりして生計を立てていた。殺し屋の火野を助けたことから三人での生活が始まるが、火野の雇い主であるヤクザの佐藤は、慎二を殺し屋にしようとする。姉に想いを寄せる慎二だったが、マキと火野が関係を結んだことを知り覚醒剤に溺れたところを佐藤に救われ、殺し屋になることを決意。だがボスの死により実権を握った佐藤が覚醒剤に手を出してしまい…。
あらすじ
ケチな盗みをして暮らす血のつながらない姉弟のマキと慎二は、犯罪組織の暗殺現場で負傷した殺し屋・火野を助けたことから、3人での奇妙な共同生活を始めた。これを知った火野の雇い主である佐藤は、慎二を殺し屋の世界に導こうとする。マキは火野と関係を持ち、佐藤のボス・大和からも大きな関心を持たれるが、マキ自身は過去に受けた心の傷のため、男に対して異常な行動をとることがあった。マキと火野の関係を知った慎二はせつなさのあまり覚醒剤に溺れ、佐藤に救われて殺し屋になることを決心する。一方、チャイニーズ・マフィアとの取り引きに際し佐藤を切り捨てた大和は、マキを自分のものにしようとしたその時、火野やマフィアに襲われ、リンチの果てに自殺に追い込まれていった。覚醒剤取り引きの実権はすでに佐藤が握っていた。慎二もまた火野とともに、佐藤とマフィアとの取り引きに関わっていく。マキはいまだに火野に対して異常な素振りを見せていたが、ある事件をきっかけに慎二はマキへの感情を自覚し、姉弟の関係も微妙なもつれを抱えていった。そんなおり、覚醒剤に手を出し幻覚に襲われた佐藤は、チャイニーズ・マフィアに対する不信感を肥大させ、ついにはマフィアのボスを撃ってしまう。火野や慎二もその銃撃戦に巻き込まれ、慎二は火野の銃弾を受け、火野も傷を負った。あとからやって来たマキは、慎二に促されるようにして火野を撃ち、さらに一発の銃声がマキに向かって響いた。やがて砂浜にマキと慎二の姿が見られたが、それは幻か、それともすべてが夢だったのか。