食堂かたつむり 2010-02-06

監督: 富永まい
脚本:高井浩子
公開:2010-02-06/製作:2010年    old
日本
 

解説

小川糸原作の同名のベストセラー小説を『ウール100%』の富永まい監督が映画化した、じんわりと心にしみる人生賛歌。失恋の痛手から一時的に心因性失声症を患った主人公が実家に戻り、食堂を開いて人々を料理で癒やしていく様を描く。ヒロインは自身も大の料理好きだという柴咲コウ。その母親役を『ディア・ドクター』の余貴美子が演じている。アニメーションやCGを交えた、ファンタジックな世界に引き込まれる。

あらすじ

料理店のアルバイト・倫子(柴咲コウ)が仕事から帰ると、同棲中のインド人の恋人と家財道具が消えていた。倫子は、シングルマザーでスナックを営む母・ルリコ(余貴美子)を嫌い、10年前に東京の祖母の家に移り住んだ。そこで料理の手ほどきを受け、自分の店を持とうと修業を積みながら貯金してきた。祖母も亡くなり、恋人にも裏切られた倫子は、ショックで声が出なくなる。倫子は仕方なく実家に帰る。ルリコはペットの豚・エルメスを溺愛しており、一文無しの娘を助けようともしない。スナックの常連客で会社社長のネオコン(田中哲司)との関係も続いているようだった。倫子は村の農夫・熊さん(ブラザートム)の手を借り、実家の物置を改造して、食堂かたつむりを始める。その食堂は、お客は1日1組、決まったメニューはない。事前のやりとりでイメージを膨らませて、その人のために料理を作る。倫子の料理は、客たちに不思議な変化をもたらしていった。別れた妻を今も想う熊さんや、片思い中の高校生・桃(志田未来)、旦那に死なれて気力を失ったお妾さん(江波杏子)、祖父が施設に入るのを悲しむミドリ(満島ひかり)ら客たちは、倫子の料理に癒され、想いを叶えていった。ある日、倫子はスナックの常連客から、ルリコはいまだに初恋の人を想い続けていて、倫子は処女懐胎で生まれたという話を聞く。その直後、ルリコはガンで余命幾許もないことを倫子に打ち明ける。しかし担当医が初恋の相手・谷口修一であったため、ルリコは幸せだと言う。修一はルリコの余命を知りながら、彼女と結婚すると倫子に告げる。そしてルリコは倫子に、結婚式でエルメスを調理することを望む。倫子はルリコのために料理を作る。ルリコが死んだ喪失感で、倫子は店を閉める。ふとしたきっかけで屋根裏部屋に上がった倫子は、ルリコの手紙を見つける。娘への愛と励ましを吐露したその手紙を読んだ倫子は、再び食堂の厨房に立ち、自分のための料理を作る。それを口にした倫子は、思わず声が出る。

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