JOKER 厄病神 1998-05-30
解説
村越(萩原健一)が7年の刑期を終えて池袋の町に帰って来た。かつて所属する金町恒産の会長を襲撃した大石翠会のヒットマンを射殺した村越。彼の出所で二つの組織は再び緊迫する。村越を“厄病神”と恐れる金町恒産の常務・新良(萩原流行)は、若い組員・ヒロシ(渡部)を彼の身辺につけ行動を共にするよう命じた。心臓に持病を持ち、自らも“厄病神”と罵られて育ったヒロシ。次第に村越に奇妙な親近感を覚えてゆくが……。
あらすじ
金町恒産の村越が七年の刑期を終えて池袋に帰ってきた。かつて、敵対する大石翠会のヒットマンを射殺した村越。彼の出所で二つの組織が再び緊迫し、村越を厄病神と恐れる金町恒産の常務・新良は若い組員ヒロシを彼につけることにする。ヒロシは過度な運動をすると血管が破裂する大病を患っていた。それは幼いころ母親から厄病神と罵られて育ったストレスが原因だった。彼にはそんな母親を絞め殺した過去があった。その日からヒロシは村越に連れられ、一緒に行動した。村越は昔通った映画館や古いアパートを懐かしそうに訪ね歩いた。ヒットマンを殺したあの日、村越はそのアパートを隠れ家にして、恋人の美加を呼び寄せた。しかし、翠会の報復隊が隠れ家を突き止め、中を確かめもせず弾を撃ち込み、彼女を殺してしまった…。ある日、翠会の組員・黒川が村越を襲い、その盾になったヒロシが負傷する事件が起こった。村越はそれ以来姿を消した。それから数日後、翠会に所属している少年院時代の仲間・久夫とつるんでいたヒロシは、偶然新良と翠会ナンバー2・伏見の関係に気づく。かつて村越の隠れ家を翠会に教えたのは新良であり、二人は裏でつながり二つの組織をわがものにしようとしていた。一方、そのころ、錯乱した黒川がヒロシの恋人の綾美を連れ去り、殺してしまう。綾美の亡骸を前に怒り狂ったヒロシは黒川を見つけ、射殺。そしてすべての元凶である新良と伏見に復讐することを決めた。途中、村越と合流したヒロシは協力して、閉館した映画館に新良と伏見を誘い込んだ。死闘の末、新良らを仕留めるが、村越も銃弾を受けて死んだ。そして生き残ったヒロシも、久夫の凶弾の前に倒れた。