ひそひそ星 2016-05-14

監督: 園子温
脚本:園子温
公開:2016-05-14/製作:2015年    old
日本
 

解説

『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』などの園子温監督がメガホンを取り、構想25年を経て完成させたSFドラマ 。園監督が1990年に書いた脚本と絵コンテをベースに、絶滅種と認定された人間の記憶にまつわる物語を紡ぐ。園監督自ら立ち上げたプロダクションの記念すべき第1作のヒロインを務めるのは、数々の園監督の作品に出演してきた神楽坂恵。記憶の宅配便という斬新な内容や、祈りにも似た物語が心に響く。

あらすじ

人類はあれから何度となく大きな災害と大きな失敗を繰り返した。その度に人間の数は減っていった。宇宙は今、静かな平和に包まれている。機械が宇宙を支配し、人工知能を持ったロボットが全体の8割、人間は2割になっている。すでに宇宙全体で人間は滅びゆく絶滅種に認定されている。科学のほとんどは完結しているが、人間は昔と同様、100年生きるのがせいぜいだ。人間は、宇宙の中で次第に消えてゆくロウソクの火のような存在だ。アンドロイドの鈴木洋子 マシンナンバー722は、昭和レトロな内装の宇宙船レンタルナンバーZに乗り込み、相棒のコンピューター“きかい6・7・マーM”と共に星々を巡って人間に荷物を届ける宇宙宅配便の配達員をしている。宇宙船の旅は退屈極まりない。しかし、マシンである洋子は退屈を感じないし、まめに船内を掃除したり、旅を記録したり、“きかい6・7マーM”の故障を修理したり、長い宇宙時間をマシンらしく過ごしている。運ぶ荷物は帽子や鉛筆、洋服などで、それほど重要に見えるものはない。配達には何年もかかるが、どんな距離にでも瞬時に物体を移動できるテレポーテーションがある時代に、なぜ人間が数年もの時間をかけて物を届けるのか洋子には理解できない。ただ、“距離と時間に対する憧れは、人間にとって心臓のときめきのようなものだろう“と推測している。ウルツ星やパラスゼロ星など様々な星に降り立ち、かつて賑わっていた街や海辺に荷物を運ぶ洋子。受け取る人々の反応は様々だが、誰もが大切そうに荷物を受け取ってゆく。30デシベル以上の音をたてると人間が死ぬ恐れがあるという“ひそひそ星”では、人間は影絵のような存在だ。洋子は注意深く、音をたてないよう、ある女性に配達するが……。

Add files...   
画像をこちらに
 
movieimg/2016/2/8387

◀︎ Back