犬笛 1978-04-01

公開:1978-04-01    old
 

解説

 西村寿行の同名長編小説をもとに「雨のめぐり逢い」の菊島隆三と「戦後猟奇犯罪史」の金子武郎が脚本、「日本の首領(ドン) 野望篇」の中島貞夫が監督を務めたサスペンス作品。撮影は「二人だけの朝」の斎藤孝雄、音楽は「HOUSE ハウス」の小林亜星が担当した。最愛の娘を誘拐された男が、愛犬とともに娘を探す旅に出る。
 秋津四郎・順子夫妻の七歳になる娘の良子が誘拐された。心労から発狂した妻の順子を残し、職も投げ打った四郎は、愛犬の鉄とともに娘を追い始める。良子の聴覚には異常があり、常人では聞くことができないゴールトンホイッスル(犬笛)の音が聞こえるのだった。自分が吹く犬笛の音を聞いた良子が、首からさげたホイッスルを吹き、それを鉄が聞き取るのではないか。四郎は犯人による罠や身に迫る危機を避けながら、捜索を続けるのだったが…。

あらすじ

良子が七歳の誕生日に誘拐された。警察の捜査もむなしく、彼女の行方は不明のまま、母親は心痛のあまり発狂する。父秋津四郎は職をも投げうって、良子が首にかけたゴールトンホイッスルを手がかりに、果てしない追跡をはじめた。犯人たちの卑劣な罠や幾度の障害にも、秋津はアイヌ犬鉄の命がけの活躍で危機を脱することができた。良子を思う秋津の執念に、犯人に殺されそうになったところを助けられた規子も、また、今まで職業意識に徹し、功名心だけを得ようとしていた小西刑事も、大きな感銘を受けていた。犯人たちは遂に海へ逃亡し、日本脱出をはかる。犯入追跡に協力する海上保安庁の巡視船は全速力で追跡するが、もはや領海内での接舷は無理だった。他国領海内での警察権の行使は、重大な国際問題である。秋津の必死の懇願に、村田船長は悩んだ。だが、無線で秋津の妻が死んだことを知ったとき、領海侵犯で逮捕されるのを覚悟で、追跡することを決意する。海上保安庁長官のとめるのも聞かず、村田船長の率いる巡視船は秋津と小西を乗せ、犯人を追って他国領海へと突き進む。それは、父と娘の、愛の絆を知った村田船長の配慮と、勇気ある決断によるものであった。

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