女は女である 1961-12-08 UNE FEMME EST UNE FEMME/a woman is a woman
解説
「勝手にしやがれ」のジャン=リュック・ゴダールの長編第3作で、“登場人物が歌わないミュージカルコメディ”という発想に基づいて制作されたラブコメディ。キャバレーの踊り子アンジェラは一緒に暮らす恋人エミールに、今すぐに子どもが欲しいと言い出す。エミールはそんな彼女に戸惑いを隠せない。そこへ、アンジェラに想いを寄せる青年アルフレッドが現れ……。ゴダール監督の前作「小さな兵隊」に続いてアンナ・カリーナがヒロインを務め、「勝手にしやがれ」のジャン=ポール・ベルモンドがアルフレッド、「いとこ同志」のジャン=クロード・ブリアリがエミールを演じた。「シェルブールの雨傘」などの名作曲家ミシェル・ルグランが音楽を担当。
あらすじ
パリの下町の小さな本屋の店に働くエミール(ジャン・クロード・ブリアリ)はストリップ・ガールのアンジェラ(アンナ・カリーナ)と同棲している。そのアンジェラが、どうしたはずみか急に赤ん坊が欲しいと言い出す。そのことで、二人はどうも意見が合わず、喧嘩がたえない。男のエミールにしてみれば、子供はいらないし、正式な結婚なんかしない方が都合がいいからだ。どうしても子供を生むと意地になったアンジェラは他の男に頼んでつくってもらうと、おだやかならぬ宣告をする。本当のところアンジェラを愛しているエミールはこの言葉に動揺するが、いまさらあとへは引けない。勝手にしろ、というしかないのだ。彼女はついに、同じアパートの下の部屋に住むパーキング・メーター係りのアルフレッド(ジャン・ポール・ベルモンド)に頼むと言い出す。アルフレッドはかねてからアンジェラに色目をつかっていたのだ。そして、ある日、アンジェラはとうとう心を決めてアルフレッドと寝てしまったのである。夜おそくエミールの許に帰って来たアンジェラ。二人は黙々として枕をならべる。やがてエミールが口を切る。「ほんとにあいつの子供ができたかどうか分らないよ。だからためしにぼくの子供をつくってみようよ」エミールはアンジェラを抱く。愛している女に子供を生ませるのは当然なんだと思いながら。