三年身籠る 2006-01-28
解説
『ナインソウルズ』や『血と骨』などの個性派女優、唯野未歩子が脚本と監督を担当したユーモアいっぱいのファンタジー。妊娠27か月の巨大なお腹を抱える妊婦役に挑戦したのは、お笑いコンビ「オセロ」の中島知子。その軟弱な夫役に『メゾン・ド・ヒミコ』や『帰郷』など、話題作への出演が続く西島秀俊。人生の一大イベント、3年にも及ぶ妊娠に振り回される登場人物たちの姿が笑いを誘う。人生どうにでもなると思える楽しい寓話。
あらすじ
29歳、女ばかりの家系に育った冬子(中島知子)は妊娠9ヵ月。母親になるという実感が湧かないまま、東京郊外の一軒家でのんびりと暮らしている。一方、夫の徹(西島秀俊)も冬子以上に親の自覚がなく、毎晩のように愛人と遊び歩いていた。やがて、十月十日。しかし、冬子のお腹の子は生まれる気配を見せなかった。妊娠18ヵ月目! 冬子のお腹は、尋常でないほど膨れ上がっていた。だが、祖母の秋や母の桃子は「育児をしなくて楽ねぇ」と、いたって楽天的。心配した妹の緑子が、親子ほども年の離れた恋人・海の勤務する大学病院に彼女を入院させるも、かえって世間の目に曝されることとなり、いたたまれなくなった徹は妻を病院から連れ帰るのだった。妊娠27ヵ月!!人里離れた山荘に引っ越した冬子と徹は、大自然の中で静かな生活を送っていた。お腹の中では、生まれていれば1歳半の子供が元気いっぱい暴れているが、まだふたりを親として認められないのか、出て来そうにない。ある日、東京から緑子と海がふたりの様子を見にやって来た。母体の危険性を訴える海に対し、あくまでも自然分娩を望む冬子。そんな中、海とうまくいっていない緑子と徹の浮気が発覚する。正直に罪を認める徹に、冬子の表情はもはや菩薩のようだ。とその時、遂に冬子が産気づいた!!! 生まれて来たのは、玉のような男の子だった。