なごり雪 あるいは、五十歳の悲歌 2002-09-28
監督:
大林宣彦
脚本:南柱根,大林宣彦
公開:2002-09-28/製作:2002年
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解説
間もなく50歳を迎える梶村祐作は、28年間連れ添った妻に逃げられ、自殺願望を持つようになっていた。そんな祐作のもとへ1本の電話が掛かってきた。かつての友、水田健一郎からだった。水田の妻・雪子が危篤状態だという。祐作は水田の帰郷の願いを聞き入れ、古里の臼杵へ戻った。祐作は雪子の瀕死の姿を見て、28年前の思い出が蘇ってきた。3人で過ごした青春の日々…。雪子は祐作に恋していた。それに気付いていながらも応えられなかった祐作。雪子に恋をしていた水田。そして今、一つの結末を迎えようとしていた…。
あらすじ
2001年初秋、東京。妻・とし子に三行半を突きつけられた日、梶村祐作はかつての親友・水田から彼の妻である雪子が意識不明の重体であることを聞かされ、28年振りに故郷の臼杵に向かった。彼の脳裡に、青春時代の出来事が蘇る。祐作を一途に想い続けた雪子。彼女の気持ちを知りながらそれに応えられず、しかも東京の大学で知り合った恋人・とし子を伴って帰省し彼女を傷つけた自分。そんな祐作に代わって雪子を守り、結婚した水田。そして雪子と最後に会った日、雪子が失恋に悲観して剃刀で自殺を図ったと思っていた祐作は、実は彼女が枕の中から白いビーズを取り出し、それを雪に見立てて降らそうとしたのだと気づく。雪など滅多に降らない温暖な町で、雪が降ったら奇蹟が起こると信じていた雪子は、それに叶わぬ願いをかけようとしたのだ。雪子が亡くなった。葬儀に出席した祐作は、薄っぺらな人生を送ってきた自分を反省し、残りの人生を一生懸命生きて行こうと心に誓い、東京へ帰って行くのであった。