広は記憶の一部を失いながらも、あてどなく車を走らせていた。ささいなことにいら立ってしまう彼は、自らの内に潜んでいる暴力性に戦慄を覚える。そんななか、スーパーマーケットに立ち寄った彼が車から離れた隙に、見知らぬ少年が車に乗り込んでいた。