歓待 2011-04-23
公開:2011-04-23/製作:2010年
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解説
下町で印刷所を営む一家のもとに、突然流れ者の男が現れ、一家の平和な日常が崩壊していく様を、ユーモアとシリアスな演出を交えながら描く異色コメディー。一見平和だが招かれざる客の出現でつぎはぎだらけの家族のメッキがはがされていく一家の変化を、新進気鋭の深田晃司監督と若手演技派俳優たちが、卓越した表現力で創出。共同体や閉鎖的な体質の現代の日本を鋭く風刺しながら、家族とは何かを問い掛けるテーマに考えさせられる。
あらすじ
東京の下町。夏の光に照り返る大きな河川を抱く工場地帯の一角で、小林印刷は今日も輪転機の音を響かせている。小林幹夫(山内健司)は、若い妻・夏希(杉野希妃)と前妻の娘・エリコ(オノ・エリコ)、出戻りの妹・清子(兵藤清子)と暮らしながらこの印刷屋を営んでいる。勤勉に働く家族の最近のもっぱらの事件は、エリコの飼っていたインコのピーちゃんが逃げてしまったことぐらいである。そんなある日、かつて小林印刷に資金援助をしていた資産家の息子と名乗る男、加川花太郎(古舘寛治)が不意に訪れる。加川は低姿勢ながら確実に小林家の内部へと入り込み、夫妻のゆるやかな日常は加川とその招来客によってにわかに崩れ始めていく……。