グロリアの青春 2014-03-01
解説
結婚や子育て、離婚を経験したキャリアウーマンの58歳の女性をヒロインに、新しいパートナー、息子や娘との関係を赤裸々に描くチリ発のヒューマンドラマ。仕事をこなし、余暇にはダンスを楽しむ中年女性がある男性と出会うも、前妻や子どもたちに振り回される相手に失望し、とある行動に出るまでをつづる。監督は、チリの新星セバスティアン・レリオ。主演のパウリーナ・ガルシアは中年の恋愛模様を繊細に演じ、かつ大胆なベッドシーンに挑むなど、その熱演でベルリン国際映画祭主演女優賞を受賞。孤独ながらも力強く生きるヒロインの姿に感動する。
あらすじ
チリの首都、サンティアゴに住むグロリア(パウリーナ・ガルシア)は、10年以上前に夫と離婚し、息子と娘は独立、58歳になる今、責任ある仕事を担い、時間があれば様々なサークルに参加して独身生活を謳歌していた。ある日、独身の中年男女が集まるダンスホールでロドルフォ(セルヒオ・エルナンデス)という男性と意気投合し、ベッドインする。いつものように一夜限りの関係かと思っていたところ、ロドルフォは正式な交際を申し込んできた。元海軍将校で今や成功したビジネスマンであり、知的センスも持ち合わせるロドルフォはパートナーとして申し分ないように思えたが、1年前に離婚した元妻と娘たちへ仕送りをし、今でも何かにつけ彼女らの面倒を見ていた。二人で会っているときでもひっきりなしにかかってくる娘たちからの電話に応対するロドルフォにグロリアは苛立ちを感じる。そんな中、元夫ガブリエルの夫婦や娘も集まる息子ペドロの誕生パーティにロドルフォを連れだって出席したグロリア。気分を悪くしてしまった彼女をよそに彼は家族たちと楽しげに過ごし、グロリアは黙ってその場を去ってしまう。ロドルフォは謝罪しグロリアも悩んだ末にこれを受け入れるが、その後もロドルフォはグロリアとの時間を優先させようと努めるものの元妻や娘たちのことを放っておけないでいた。優柔不断な彼の態度に業を煮やしたグロリアは、ある行動に打って出る……。