マジックユートピア 2016-07-16
公開:2016-07-16/製作:2015年
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解説
『グレーのバリエーション』などの遠山昇司と、ミュージックビデオなどで著名な丹修一が監督を務めて放つ映像詩。世代も生きてきた環境も異なる男女3人の今と過去の記憶を交錯させつつ、“ユートピア”を目指す人々の魂の移ろいを圧倒的な映像美で映しだす。出演は『うつくしいひと』などの米村亮太朗、『黒い暴動』などの柳英里紗、『眠れ蜜』などの和田周。才能あふれる二人の監督が手掛けた繊細な映像に見とれる。
あらすじ
高校時代の友人マユミの死を引きずっている佐藤(米村亮太朗)は、目的のない毎日を送っていた。そんなある日、デリヘル嬢のリサ(柳英里紗)と出会い、夜を共にするが、突然リサはかつてマユミが佐藤に話した“白い象”の物語を語り始める。佐藤は戸惑いながらも、リサに特別な感情を抱き始めてゆく……。幼い頃に母親を自殺で亡くしたリサは、ナオという本名を伏せながら3つの名前を使い分けデリヘル嬢として生活していた。彼女の記憶にかすかに残っているのは、霧の中に消えていく母親の姿。そして「身体が宙に浮くようになったらユートピアが現れる」という母親の言葉であった。そして佐藤との夜、リサは自分の身体が宙に浮いていることに気付く。翌朝、リサは自分の身体が宙に浮いてしまったことへの不安に駆られながら、あの記憶を確かめるために母親の過去を知る人物の元へと向かうのだった……。17年前に娘を亡くした老作家(和田周)は、孫のナオとほとんど連絡を取らずにひとり孤独に暮らしている。ある夜、彼が帰宅すると留守番電話に不思議なメッセージが残されていた。「離れていきますね。もしかしたら、何かへと惹きつけられているのか。そうも見えますね……」翌晩、電話が鳴り、老作家が電話に出ると受話器の向こうから聞こえてきたのは、死んだはずの娘の声であった……。