日本殉情伝 おかしなふたり ものくるおしきひとびとの群 1988-03-29
解説
やまさき十三作・さだやす圭画のマンガ『おかしな2人』を、大林宣彦が監督し映画化。脚本は剣持亘、小倉洋二、薩谷和夫と大林が執筆した。音楽はシンガーソングライターのKANが担当。原作から離れ、舞台を尾道に移している。
旅人の山倉修は海辺の町で金貸しの室田幸男と知り合った。その室田の事務所に、ある日、幼なじみの成田和美がやってくる。室田と成田と夕子はいつも一緒に遊んでいて、成田は「夕子を嫁さんにする」と宣言した。だが夕子は室田と愛し合うようになり、ついには二人の間に娘のさやかが生まれた。恩師の正田に金を貸していた室田だったが、正田が金を返す前に亡くなってしまったため、彼の娘の紅子が事務所で働くことになった。
あらすじ
少年・山倉修(7歳)は体が弱く、将来は大好きな汽車に乗ることを夢みていた。それから18年が経ち、優しかった母も亡くなり、山倉は旅人となってある海辺の町にいた。そこでゴツイ男・室田幸男と知り合う。金貸しの彼は変な発明ばかりしている山倉に投資しては、いつも失敗していた。ある日、成田和美が室田の事務所を訪ねた。二人は幼馴染みで14歳の頃、夕子という7歳の少女と一緒によく遊んでいた。成田はその時「将来、夕子を嫁さんにする」と宣言。三人は約束したが、やがて室田も夕子を愛するようになり、告白した。幼い頃の約束を破った室田は指をつめようとしたが、もみ合っているうちに止めに入った成田の指が飛んでしまった。夕子も室田を愛するようになり、さやかという娘も生まれた。成田の母・おせんは若い頃憧れていた俳優・水城龍太郎主演の映画「上海帰りのリル」を上映したが、そこにかつてのライバル・おたかが現われ、終映後二人は刺し違がえた。室田は恩師の正田にも金を貸していたが、返さないうちに死んだため、その娘、紅子が事務所で働くことになった。やがて室田は強引な取り立てから恐喝の容疑で逮捕されたが、紅子が家を売って保釈金をつくり出してくれた。そして、紅子は室田と一夜を共にすると町を去った。山倉はプラスチックを食べるバクテリアを発見するが、これも失敗して再び旅立つ決心をした。成田は女親分だった母の後を継いで組長となり、室田は夕子とさやかの三人、親子水いらずでボートに乗るのだった。