未来を生きる君たちへ 2011-08-13
解説
「悲しみが乾くまで」のスサンネ・ビア監督が、暴力や憎しみに満ちた世界の中で、希望を見出していく人々の姿を描いた第83回アカデミー賞外国語映画賞受賞作。出演は「暗殺の瞬間」のミカエル・パーシュブラント、「セレブレーション」のトリーネ・ディアホルム、「ヒットマン」のウルリッヒ・トムセン。
あらすじ
デンマークに家を持つ医師のアントン(ミカエル・パーシュブラント)は、アフリカの地に赴任し、キャンプに避難している人々の治療を行っている。様々な患者の中には妊婦の腹を切り裂く悪党“ビッグマン”の犠牲者もいた。母マリアン(トリーネ・ディアホルム)と幼い弟のモーテンと暮らしているエリアス(マークス・リーゴード)は、毎日学校で執拗なイジメにあっていた。父親のアントンが大好きなエリアスはその帰国を喜ぶが、両親は別居中である。ある日、母親の葬式を終えたクリスチャン(ヴィリアム・ユンク・ニールセン)が、エリアスのクラスに転校してくる。その放課後、イジメっ子のソフスにエリアスは絡まれ、クリスチャンも巻き添えを食らう。翌日、クリスチャンはソフスを殴り倒し仕返しをする。ソフスの怪我が表沙汰になり、呼び出された父親クラウス(ウルリッヒ・トムセン)は、報復にはきりがないと諭すがクリスチャンはやり返さなきゃだめだと口応えする。帰国したアントンが、子供たちとクリスチャンを連れて出掛けた帰り、モーテンがよその子と公園でケンカになった。割って入ったアントンだが、駆け寄って来た相手の子の父親に、理由も訊かれずに殴られてしまう。翌日、クリスチャンとエリアスが自分を殴った男ラース(キム・ボドニア)の職場を割り出したことを聞いたアントンは、子供たちとラースの職場を訪れる。殴った理由を問いただすアントンを、ラースは再び殴るが、アントンは決して手を出すことなく、屈しない姿を子供たちに見せた。帰り道、殴るしか能のない愚か者だとラースを評するアントンに、エリアスとモーテンは同調するが、クリスチャンは報復しなかったアントンに納得がいかない。アントンがアフリカへと戻った後、祖父の作業場で大量の火薬を発見したクリスチャンは、爆弾を作ってラースに復讐しようとエリアスに持ち掛ける。一方、アフリカのキャンプでは脚に怪我を負ったビッグマンがやって来る。アントンは周囲に反対されながらもビッグマンの治療を行うのだが……。