あらすじ
武州佐野の次郎左衞門は、律気で真面目な商人として平凡な一生を終えるはずだったが、生れながらの醜い痣が彼を悲劇の主人公に仕立てたのである。百姓次兵衞夫婦の手で育てられた捨て玉の次郎左衞門は、機屋で財をなしたものの痣が災いして女には縁がなく、たまの見合い話もすべて失敗に終った。その度ごとに心を曇らせるのは、下僕の治六と行末を誓った織娘のお咲だ。だが、次郎左衞門にも女を知る機会が訪れた。幾度目かの見合いの帰り、取引先の江戸の問屋や仲買い衆の誘いに乗って花の吉原の大門をくぐり、仲之町兵庫屋で一夜、遊女・玉鶴の情けを受けた。(C)東映