捨てがたき人々 2014-06-07
監督:
榊英雄
脚本:秋山命
公開:2014-06-07/製作:2012年
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解説
ジョージ秋山による原作コミックを基に、『ハゲタカ』などの大森南朋演じる生きることに飽きた男を主人公に人間の欲と業を赤裸々に描く人間ドラマ。不器量で自堕落な中年男がある女と出会い、苦悶(くもん)しながらも愛と幸せを見つけ出そうと生きる姿をつづる。監督は、俳優であり監督としても『誘拐ラプソディー』などを手掛ける榊英雄。主人公の相手を、『発狂する唇』などの三輪ひとみが演じるほか、滝藤賢一、田口トモロヲといった味のある俳優たちが共演。グロテスクなまでに欲と業を表す主人公を熱演する大森の役者魂に驚嘆する。
あらすじ
金も仕事もなく、不細工で無愛想、怠け者の狸穴勇介(大森南朋)は、生きる事に飽きてしまっていた。そんな彼が最後に向かったのは、両親が自分を捨てた生まれ故郷だった。しかし、そこで勇介を知るものはなく、目つきの悪い勇介を人は怪訝そうな表情で見るばかり。ある日、勇介は、顔に痣のある女・岡辺京子(三輪ひとみ)と出会う。京子はその痣がコンプレックスで恋愛を諦めていたが、勇介にとって彼女は笑顔で接してくれる唯一人の女性であった。“生きている証”を快楽に求める勇介は、その欲望を京子に求め、強姦まがいに関係を持ってしまう。なし崩しに同棲し、京子は勇介に嫌悪感を持ちながらも、自分を女として接する勇介と関係を続けていくのだった。やがて二人は望まれぬ子供を授かるが、勇介は“家族”として人並みの“幸せ”を感じていく。だがある日、笑顔なき家族に勇介の悲しみと怒りが爆発する……。