男はつらいよ 柴又より愛をこめて 1985-12-28
解説
人気シリーズ第三十六作目。マドンナはシリーズ第四作「新・男はつらいよ」に出演した栗原小巻が再登板。「二十四の瞳」のパロディが登場する。
とらやに戻った車寅次郎は、家出したタコ社長の娘あけみを連れ戻してほしいと頼まれ、単身下田へ向かった。スナックで働くあけみを見つけるが、帰りたくないという彼女に付き合い、式根島行きの船に乗り込むことに。船内で同窓会に帰る若者たちと知り合った寅さんは、島で出迎えた美人の真知子先生に一目惚れ。あけみのことなどさっぱり忘れ、同窓会に紛れ込むのだった。あけみは島で知り合った青年にプロポーズされ、柴又へ帰ることを決意、いやがる寅次郎を連れて帰ることに。そのとらやへ、寅次郎を訪ねて真知子が現れた…。
あらすじ
かねてから結婚生活に不満をこぼしていた社長の娘あけみが家出した。思いあまった社長は、テレビの尋ね人コーナーに出演するが、本番で泣き出してしまい醜態を晒す始末。伊豆下田あたりでテレビを見ていたあけみからとらやに電話がかかる。彼女は「私は元気よ、それより寅さんに会いたいな」と言ってきた。そんな時、寅次郎がとらやに戻って来た。彼はあけみを連れ戻すべく、下田へと旅に出る。寅次郎は飲み屋街で、さくらと名乗って働いているあけみを見つけた。だが、あけみは家には帰りたくないと彼を困らせる。そして、あけみの希望で式根島に行くことになった。船の中で二人は、島の小学校の同窓会に帰るという一行と知り合う。島に着くと、彼らの教師だった真知子が笑顔で迎えた。美人の真知子に、寅次郎の頭からはあけみの存在など吹き飛んでいた。しかも、真知子が東京の下町育ちと聞いて、彼のはしゃぎぶりは手がつけられない有様となった。一方、あけみは知り合った純情な青年、茂にプロポーズされ、柴又へ帰る決心をした。あけみに脅迫された寅次郎も、泣く泣く島を出ることを承知する。しばらくして、真知子がとらやを訪ねて来た。父親の見舞いのため、一日休みをとったというのだ。彼女は死んだ親友の娘、千秋と会い誕生日のお祝いをする。そして、千秋の父親、文人から突然プロポーズされた。真知子は島に帰る日、そのことを寅次郎に相談した。話を聞いて元気を失くした彼は急に旅に出ることにする。正月、ある町で商売する寅次郎の姿があった。