冴え冴えてなほ滑稽な月 2013-09-07
解説
『Destroy Vicious デストロイ・ヴィシャス』などで異彩を放つ島田角栄監督が、パンクとSMをテーマに挑んだ異色ミステリー。優れた推理能力を持つSM嬢と彼女に魅了され調教を受ける刑事が、SMクラブの周辺で起こる怪事件の捜査にあたる姿を描く。難事件解明に挑む異色コンビには、『学校の階段』などの黒川芽以と『タクミくん』シリーズの浜尾京介。そのほかミュージシャンのダイアモンド☆ユカイ、映画監督の河瀬直美、芸人の鳥肌実など多彩な顔ぶれが脇を固める。
あらすじ
全裸の男がビルの屋上から飛び降り、死亡した。そのビルには、自殺した男・松尾が足繁く通っていたSMクラブ“ミッドヘブン”があり、刑事の武藤雅美(浜尾京介)は、松尾を調教していたSMの女王・美礼(黒川芽以)に会い事情聴取をする。どこか陰のある美貌を持った美礼に惹かれ、やがて武藤は客としてクラブに通うようになる。並はずれた勘の良さと推理能力を持つ美礼は、武藤を従順な下僕へと調教しつつ、武藤の抱える数々の難事件を解決へと導いていくのだった。そんな折、M男と見られる男たちが次々と自殺する事件が発生。自殺者たちの調査を進めていくにつれ、彼らが皆、SMクラブに所属しない謎のSM女王・マリリンとプレイをしていたという事実が浮かび上がる。だがマリリンの実態はつかめず、自殺者は後を絶たない。そんな中、マリリンとプレイをした男がホテルで変死体となって発見される。容疑者マリリンを追う武藤。ところが、彼女に会ったことがあるというM男数人にモンタージュを作成させると、どのマリリンも全く異なった容姿をしていた。調査を進めるほどに謎は深まり、完全に捜査の方向性を見失った武藤は、再び美礼の調教を受けるのだった。美礼はこの不可解極まりない事件に今までにない強い興味を示す。一方、SM界でカリスマ的人気を誇るSMクラブ“ミラー”の愛紫亜(澤田由希)は、美礼と因縁のライバル関係にあった。そして何故か愛紫亜もこの事件に特別な反応を示し始めていた……。