昭和20年の夏。魚雷を脇に抱えたドラム岳が太平洋に漂流していた。この工兵特別甲種幹部候補生の“あいつ”は、まだ終戦を知らない。あいつは、あの1日だけ与えられた外出許可を思い出す。古本屋へ行き、女郎屋に行き、そしてひとりの少女と出会う。