日蔭のふたり 1997-08-02

公開:1997-08-02/製作:1996年    old
イギリス
 

解説

 イギリスの文豪トマス・ハーディの問題作『日陰者ヂュード』を、鬼才マイケル・ウィンターボトムが映画化。運命に翻弄されながらも愛を貫き通そうとする男女の姿を綴る。19世紀のイングランド。勤勉だが世間知らずのジュードの前に、ある日いとこのスーが現れる。美しく洗練された彼女の聡明さに夢中になるジュード。やがて彼らは深い恋に落ちるが、2人には過酷な運命が待っていた。

あらすじ

19世紀末のイングランド。勤勉な若者ジュード(クリストファー・エクルストン)は、石工として働きながら独学で大学進学を目指していた。しかし、世間知らずの彼は豚飼いの娘アラベラ(レイチェル・グリフィス)に魅せられ、恋の罠にはまってしまう。妊娠を告げられた彼は結婚を受け入れるが、間もなく結婚生活は破綻し、アラベラはジュードを残して新天地オーストラリアへと旅立つ。憧れの大学都市クライストミンスターに移り、働きながら再び勉強を始めたジュードは、この街でいとこのスー(ケイト・ウィンスレット)と出会う。洗練された知性を持つ彼女にひと目でひかれた彼は、共に過ごす時間を楽しみに待つようになる。下宿の女主人と口論し、勤め先もクビになったスーが別の土地へ移ろうとすると、ジュードは彼女を引き止めるべく、少年時代の師フィロットソン(リアム・カニンガム)を訪ねて相談する。かつてジュードに大学への夢を吹き込んだ彼は、自らはその夢を断念し、子供たち相手の教師をしていた。ジュードは彼に頼んで、スーを見習い教師として雇ってもらう。しかし、喜びも束の間、フィロットソンもスーを愛してしまい、そのうえ、労働者であるジュードの入学を大学側は拒絶した。夢破れた彼は、メアリーグリーンのドルシラ伯母(ジューン・ホイットフィールド)の家に帰郷する。離れていてもスーへの思いは募り、そんな折、スーから会いたいとの手紙が届く。彼女はフィロットソンとメルチェスターへ移り、師範学校に入学していた。スーの近くにいたい一心で現地へ行き、暮らし始めるジュード。ある夜、厳しい規律に反抗して学校の寮を抜け出したスーは、ジュードの下宿に身を寄せる。2人はいとこ同士の一線を越えなかったが、スーは結局退学処分になってしまう。残された道は結婚しかなさそうだったが、しかし、ジュードには名ばかりとは言え、妻がいる。彼がやっとの思いでその事実を打ち明けると、スーはまるで仕返しのようにフィロットソンと結婚してしまう。再び帰郷したジュードだが、間もなくドルシラ伯母が他界した。伯母の葬儀で再会した2人は、互いの心が離れがたく結びついていることを知る。スーは家を出て、ジュードと暮らし始めた。結婚という形式を嫌うスーだったが、それでもジュードは幸せだった。だが、そんな折アラベラが、ジュードと別れた後に生まれたという息子を引き取るよう頼んできた。母親に捨てられたその子ジューイを家族として迎えるジュードとスー。その後、2人の間にも子供が次々と生まれる。未婚で同棲する2人に対し、世間の風当たりは強かった。彼らは幼い子供たちを抱え、職も住居も転々として不安な毎日を送るようになる。やがてジュードの希望で、再びクライストミンスターに戻る2人。だが、彼らが留守の間に、ジューイは「僕たちが多すぎるから」とのメモを残し、ほかの子供たちを殺して自殺した。「もうあなたと暮らせない」と言い残してスーはジュードの元を離れ、彼はその後ろ姿に「たとえこの世が滅んでも僕らは夫婦だ!」と叫んだ。

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