外科室 1992-02-08

公開:1992-02-08    old
 

解説

 原作は1895年(明治28年)『文芸倶楽部』に掲載された泉鏡花の短編小説。歌舞伎役者・坂東玉三郎の映画初監督作品で、高貴な夫人と青年外科医の秘めたる恋を描いたロマンス。明治時代。満開の桜が咲き誇る小石川植物園で、画家の清長は回想していた。友人の外科医・高峰は、貴船伯爵夫人の手術を執刀することになったが、夫人はその時になって“手術をやめたい”と言い出す。麻酔をされると、うわごとで秘密を口走ってしまうというのだ。驚く周囲をよそに、高峰は手術を行う。胸を切り開いた途端、夫人は高峰にすがりついて絶命する。それは9年前、清長と高峰が学生時代に訪れた夫人との出会いから始まった。

あらすじ

明治時代のとある外科室。貴船伯爵夫人は、うわ言で秘密を漏らすからと手術の麻酔を拒み続けていた。彼女は青年医・高峰に麻酔なしの執刀を頼む。周囲の驚きをよそに、メスを握る高峰。そして、その現場を見守る彼の学友でもある日本画家の清長。実は9年前、植物園での一瞬の邂逅を夫人と高峰は忘れていなかったのだった。心の奥深くに2人だけの秘密として刻み込まれていた愛の世界。しかし、夫人は手術中のメスを奪い自らの胸を突き、やがてその後を追うように高峰も命を断つのだった。

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