静かなる男

公開: 1952年/製作:1952年    old
アメリカ
 

解説

「リオ・グランデの砦」と同じくジョン・フォードとメリアン・C・クーパーの主宰するアーゴシイ・プロの第7作で、フォードの故郷アイルランドにロケしたテクニカラー1952年作品。監督は「アパッチ砦」のジョン・フォード。モーリス・ウォルシュの小説をフランク・S・ニュージェント「アパッチ砦」が脚色し、撮影は「愛と血の大地」のウィントン・C・ホックと「リオ・グランデの砦」のアーチー・スタウト「第二班」、音楽は「血闘」のヴィクター・ヤングの担当。なお映画中にはアイルランド民謡6曲が使用されている。主演は「アパッチ砦」のジョン・ウェインと「剣豪ダルタニアン」のモーリン・オハラで、バリー・フィッツジェラルド「武装市街」、ワード・ボンド「アパッチ砦」、ミルドレッド・ナットウィック「すべての旗に背いて」、フランシス・フォード「幌馬車(1950)」、アーサー・シールズ「赤い灯」らが助演。

あらすじ

アメリカのプロ拳闘家だったシーン・ソーントン(ジョン・ウェイン)は平和な生活を望んで拳闘界から身をひき、故郷アイルランドの小村イニスフリーに帰って来た。彼は人手にわたった荒れ果てていた自分の生家ホワイト・オモーニン荘を金持ちの後家ティレーンから買いとり、静かに暮らそうと思ったのだが、この家は村の大地主で乱暴者レッド・ウィル・ダナハー(ヴィクター・マクラグレン)の地所の隣で、かねてからティレーンに思召しのあるレッドが買い取ろうとしていたところなので、ことは面倒になって来た。その上、シーンが村に着いた日、見染めた娘と恋仲になったが、これがレッドの妹メリー・ケイト(モーリン・オハラ)だったので、レッドはいよいよシーンに対して腹を立てた。シーンはメリー・ケイトと結婚するといい出したが、レッドは妹が気に入らない男と結婚するので持参金をわたそうとしなかった。アイルランドの習慣では結婚には必ず持参金がつきもので、メリー・ケイトは持参金なしでは恥ずかしくて結婚出来ないと悲しんだが、アメリカ暮らしをしたシーンにとって問題でなく、牧師ロナガン(ワード・ボンド)やお人よしでお節介な老人ミケリーン(バリー・フィッツジェラルド)の策略でレッドもしぶしぶ承諾を与え、結婚式をあげることが出来た。村人たちは、シーンがレッドの腕力をおそれて持参金を要求しないだろうと噂をはじめ、メリー・ケイトも持参金をわたしてもらえるまで、同衾を拒んだ。彼女はシーンの前身を知らないので兄と戦わない彼を卑怯者だと誤解し、とうとう村を逃げ出そうとした。シーンは拳闘家時代、あやまって相手を殴り殺し、それ以来2度と腕力はふるうまいとかたく誓っていたのだが、ここに至って遂に爆発、汽車からメリー・ケイトをひきずりおろしレッドに持参金を要求した。大勢の村人のみている手前、レッドはしぶしぶ金を出したが、シーンはそれを釜の中に叩きこんだのでレッドは烈火のように怒り、2人は大格闘をはじめた。野越え山越え川越えての闘いは、途中居酒屋でひと休みしたが、結局2人ともくたくたになってめでたく仲なおり。シーンはメリー・ケイトと晴れてほんとの夫婦になった。

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