ゴーグル 2005-03-05
公開:2005-03-05/製作:2005年
old
解説
「青と白で水色」で日本テレビシナリオ登竜門の大賞に輝いた、桜井剛が初メガホンを取った人間ドラマ。親から虐待を受ける少年や、いじめに遭う少女らにスポットを当て、彼らの感情の移り変わりを繊細に映し出す。『BUNGO -日本文学シネマ- 高瀬舟』のタモト清嵐が訳あってゴーグルを付けて生活する主人公を演じ、彼の父親を『管制塔』などの利重剛が演じている。虐待という困難なテーマに正面から取り組んだ桜井監督の意気込みがひしひしと伝わってくる。
あらすじ
ある朝、ハルキはゴーグルをつけて登校する。普段から奇抜な行動をするハルキを、同級生はいつものようにからかう。しかし、そのゴーグルには父から受けた虐待のあざを隠す意味があった。幼い時から日常的に虐待を受けて育ったハルキもまた、一方で暴力的な一面を持っていた。ある時、ハルキは自分をからかう同級生を殴ってしまう。自分の中にある暴力性を、ハルキ自身嫌悪しつつ、もうすぐ津波が来て、嫌なものすべてを流してくれる」と、信じている。そんなハルキは、突然仲間はずれの対象になった同級生の香月に対し、いつも通り接するのだった。そのことで香月は心を開き、2人は打ち解けていく。家庭では、子供に無関心で仲の悪い両親に文句もいえないでいる香月。お互いの寂しさを理解し、次第に打ち解ける二人。エスカレートする父の虐待、両親の不和と無関心。子供にはどうしようもない大人の世界に縛られた2人に、はたして本当に津波はやってくるのか。