WHITE MEXICO ホワイト・メキシコ 2007-08-18

監督: 井上春生
脚本:井上春生
公開:2007-08-18/製作:2007年    old
日本
 

解説

音楽と映像の新たな創造“CineMusica”シリーズ第三弾は、自暴自棄になった中年男と、ロシア生まれの若い女性が北を目指すロードムービー。互いに孤独な2人が旅を通じて少しずつ心を通わせていく様子を優しく見つめる。17年ぶりに映画主演を果たす大江千里が、哀愁漂う熟年男性を好演。相手役を務める『ウール100%』のティアラとコミカルで自然体の演技を見せる。注目のシンガーソングライターAkeboshiの歌う主題歌も必聴。

あらすじ

東京湾そばのバス停で、札束の詰まった紙袋を持つ佐藤(大江千里)が青森行きの長距離バスを待っている。3カ月前、佐藤は妻を亡くして以来唯一の心の支えだった高校生の娘・祐未(はねゆり)をチンピラに殺された。その復讐を果たし、どさくさにまぎれて奪った金を、祐未が生前好きだったメキシコの慈善プロレス団体に寄付するつもりだ。訳知り顔のミユキ(東山麻美)が一緒に逃げようとしつこくつきまとっているところを、若い女・パステル(ティアラ)が助けてくれた。パステルは一目見るなり、佐藤が死ぬつもりなのを察していた。パステルはロシア人と日本人のクオーターで、唯一の肉親だった祖父が遺した複葉機を引き取りに青森まで行くという。祖父が、出演する航空ショーの直前に亡くなったため、ショーのキャンセル料としてパステルは多額の借金を抱えていた。取り留めもない会話を佐藤とパステルが交わしていると、バスに刑事(ブラザートム)が乗り込んできた。佐藤を守ろうと焦ったパステルは、佐藤が隠し持っていた拳銃を刑事に向ける。刑事は単に忘れ物捜索に来ただけで、引くに引けなくなったパステルと佐藤は紙袋を持って見ず知らずの車に乗り込み、逃走する。狭い車の中で、両親に捨てられて以来パステルが鬱に苦しんだこと、佐藤と祐未があまり言葉を交わさなくなってしまったことなど、互いに心にしまい込んでいたことを話し始める。メキシコへの寄付を無事に終え、複葉機の置いてある青森の飛行場が目前に迫った。別れの時が近づいていたが、二人の間には親子の絆に似た、途切れることのない絆が生まれていた。飛行場では、祖父の遺した複葉機と大伯父の辰雄(篠原勝之)が待っていた。辰雄が畑を売って作った金をパステルに渡す。それは、佐藤が持っていた紙袋と同じものだった。二人は複葉機に乗り込み、雪の降り積もるロシアへ向かって、白いメキシコに向かって旅立った。

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