あえかなる部屋 内藤礼と、光たち
監督:中村佑子
公開: 2015年/製作:2015年
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解説
元々はテレビ番組として製作された「はじまりの記憶 杉本博司」が国際エミー賞アート部門ノミネートを果たし、劇場公開されるなど注目を集めた中村佑子監督が、美術家・内藤礼の世界に迫ったドキュメンタリー。内藤本人ではなく、作品世界に引き寄せられた5人の女性を通じて、その本質を掘り下げる。独特の映像表現も見もの。
あらすじ
体験した者に静かな驚きと歓びをもたらす作品を発表してきた美術家・内藤礼。豊島美術館にある代表作『母型』は、そこにいるひと全ての存在を受け入れる大きな生命体のような空間である。『母型』に出会い、その場の持つ力に強く惹かれた映画監督の中村佑子は、内藤に取材を依頼、2年に渡って撮影を続けた。しかし、“撮られると、つくることが失われてしまう”という言葉と共に、取材半ばで内藤は撮影を拒否。一度は撮ることを諦めかけた中村だったが、やがて、内藤のアートの本質である“生きていることは、それ自体、祝福であるのか”という問いに対して、内藤にキャメラを向けずに迫ることを決意する。内藤の拒否によって、映画は新たな次元へ。そして、内藤の不在を埋めるかのように出会った5人の女性たち。『母型』に集まり、そこで交わされる女性たちの傷みの感覚や生と死に対する言葉。『母型』を撮らねばならなかった監督自身の内的必然性と女性たちの感受性が呼応し、祈りのような大きな“存在の問い”へと解き放たれてゆく。
