半次郎 2010-10-09
解説
俳優の榎木孝明が企画を立ち上げ、明治維新の時代に活躍した薩摩武士・桐野利秋(中村半次郎)の生涯を描いた時代劇。『地雷を踏んだらサヨウナラ』の五十嵐匠が、西南戦争で非業の死を遂げるまでの桐野利秋(中村半次郎)を描く。主人公の半次郎を演じるのは、13年かけて企画を実現させた榎木孝明。EXILEのAKIRAが、親友の永山弥一郎役で時代劇に初挑戦する。現代の世の中に大切な何かを問いかける半次郎の生きざまを堪能したい。
あらすじ
動乱の幕末、薩摩藩。貧しい下級武士の中村半次郎(榎木孝明)は、若い侍たちの中心的存在である西郷吉之助(田中正次)が京に上ると聞き、自分もその一員に加えてほしいと願い出る。その面会の場、半次郎は求められて西郷に剣の腕前を披露。これが、以後の人生を共にする2人の出会いとなった。上京すると、人並み外れた度胸のよさと剣の腕前が評判となり、半次郎の名前はたちまち世間に知れ渡る。ひたむきで大らかな人柄も仲間たちから慕われ、長州藩士の鮎川小次郎(葛山信吾)、煙管屋の村田伊兵衛(竜雷太)、同じ薩摩藩士の永山弥一郎(AKIRA)など、次々と交友関係を広げていく。中でも、伊兵衛の一人娘さと(白石美帆)とは、心を通わせ、互いに生涯忘れられない相手となる。その一方で、熾烈を極める幕府軍との戦い。一時は圧倒的な幕府軍により、窮地に追いつめられる。しかし、味方の士気を鼓舞した半次郎の活躍もあり、劣勢を覆して薩摩軍は勝利。明治新政府が樹立されると、武勲を評価された半次郎は陸軍少将にまで上り詰め、名を“桐野利秋”と改める。故郷を離れてから、すでに7年の月日が経っていた。しかし、明治新政府での有力者たちの奢侈ぶりと腐敗は目を覆うばかり。やがて、権力闘争に敗れた西郷とともに、半次郎は薩摩に帰っていく。その頃、近代化を急ぐ新政府は不平を抱く士族を弾圧、言論統制の圧政を敷く。不満を爆発させる薩摩の青年たち。彼らを見捨てることができず、半次郎は西郷を担ぎ出して反政府の旗を掲げる。薩摩の不利は明らかだったが、村田新八(坂上忍)、篠原国幹(永澤俊矢)、別府晋介(津田寛治)など、ともに下野した仲間たちも加わってくる。戦いは無謀だと参加を拒んだ弥一郎も、最後は半次郎の説得に応じて参加。50年ぶりの雪が桜島を覆った日、半次郎は弥一郎とともに、一万三千の薩摩軍を率いて東上する……。