アジアンタムブルー 2006-11-18
解説
大崎善生の同名の小説を映画化した切ないラブストーリー。ようやく自分の大切な相手に巡り合ったものの、彼らに残された時間はわずかだった。愛する人の最期と向き合う主人公を演じるのは『バルトの楽園(がくえん)』や人気テレビドラマ「結婚できない男」に出演するなど、映画やテレビに引っ張りだこの阿部寛。相手役はテレビドラマ「タイヨウのうた」の松下奈緒。二人が最後の日々を過ごすニースの街の美しい風景が胸にしみる。現役の音大生でもある松下による、透明感のあるピアノ演奏は要チェック。
あらすじ
成人男性誌「月刊エレクト」の編集者・山崎隆二(阿部寛)は、カリスマSM女王・ユーカ(小島聖)の撮影旅行を企画していた。撮影地はヨーロッパ。隆二はユーカの推薦でカメラマンの続木葉子(松下奈緒)と会うが、上司の判断で彼女はカメラマンとして不採用になってしまう。葉子は水に映ったものにしか被写体の魅力を感じられずにいた。水溜りに映った隆二の姿を写真に撮る葉子。ユーカと共にヨーロッパを撮影して廻る隆二はニースを訪れる。この海を葉子に見せたかったと言うユーカ。長く続いている親友の妻との不倫生活に疲れ、今の仕事にも中途半端にしか取り組めずにいた隆二は、葉子の不思議な魅力に惹かれ始めていた。東京に帰った隆二は葉子と再会し、2人は同棲生活を始める。互いに影響し合い変わり始める2人。葉子は水に映ったもの以外にもカメラを向け始め、隆二は不倫関係を清算し、幸せな生活が続くかと思われたが、葉子は撮影中に突然倒れてしまう。末期の癌におかされ、余命1ヶ月と宣告された葉子。隆二は彼女をニースへ連れて行く。死を間近に感じつつ不安を募らせる葉子と、彼女を優しく見守る隆二は、残りわずかな時をニースの美しい景色の中、2人で穏やかに暮らそうとするのだった。