三文役者 2000-12-02

公開:2000-12-02/製作:2000年    old
日本
 

解説

今は亡き名バイプレイヤー・殿山泰司の、天衣無縫の俳優人生を描いた人間喜劇。監督・脚色は「生きたい」の新藤兼人。撮影を「生きたい」の三宅義行が担当している。主演は、「弱虫」の竹中直人と「皆月」の荻野目慶子。また、殿山氏を知る証言者として「午後の遺言状」の故・乙羽信子も出演している。近代映画協会50周年記念、00年度本誌日本映画第6位、日本ペンクラブ賞第4位第10回日本プロフェッショナル大賞第7位。芸術文化振興基金助成作品。

あらすじ

1915年10月17日、タイちゃんこと殿山泰司は、銀座の“おでんお多幸”の長男として生まれ、36年、俳優となった。36歳の時、タイちゃんは京都の喫茶店“フランソワ”のウェイトレス、キミエと出会い相思相愛の仲になる。ところが、彼には既に鎌倉に内縁の妻・アサ子がいたのだ。タイちゃんは、女優のオカジこと乙羽信子を介してアサ子に別れ話を持ち出すが、逆にアサ子はタイちゃんに黙って婚姻届を出し、養女まで迎えてしまう。しかし、東京でタイちゃんと同棲を始めたキミエも負けてはいない。対抗心をむき出しにして、兄の息子・安夫を養子に取ったのだ。こうして、たちまち二児の父親になってしまったタイちゃんであったが、仕事では「愛妻物語」「裸の島」といった素晴らしい作品に恵まれ、しかも「人間」では数々の賞に輝いた。その後、肝硬変、母の死、子供たちの結婚、浮気事件、様々な出来事を経て、古希を迎える年となったタイちゃん。選り好みせず仕事をしてきた彼だったが、このところめっきり仕事の依頼が減っていた。ところが余命半年の診断を受けた時、皮肉にも3本の仕事が舞い込んでくる。そして、堀川弘通監督の「花物語」への出演を終えた直後の1989年4月30日、ジャズとミステリィをこよなく愛した三文役者・タイちゃんは、キミエに看取られながら他界した。

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