燦燦 -さんさん- 2013-11-16
解説
長年の介護の末、夫に先立たれた女性が、人生の終わりを輝かせるべくパートナーを探すドラマ。第6回シネマプロットコンペティションにてグランプリおよびSKIPシティ賞を受賞した外山文治の「燦燦」を原案に、SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザが実施する若手映像クリエイター育成・支援プログラムD-MAPを通じ映画化された。外山文治監督は先に発表した自主制作映画「此の岸のこと」で老いと向き合う夫婦を描き、モナコ国際映画祭2011短編部門最優秀作品賞を受賞。新たなパートナーを探す77歳の女性を「人生、いろどり」の吉行和子が、結婚相談所を通じ知り合う男性を「四十七人の刺客」の山本學が、亡夫の親友を「ゴジラ」の宝田明が演じている。
あらすじ
長年の介護の末に夫に先立たれた鶴本たゑ(吉行和子)は、息子たちとも離れて一人で暮らしている。老人クラブ燦燦会に顔を出すようにしているが、年寄りじみた活動が多く違和感がある。淡々と日々が過ぎゆく中、ふとウェディングドレスを目にしたことから、パートナーを見つけて人生の花道を輝かせたいと思い立つ。結婚相談所を訪れ、同世代の様々な男性と会うたゑ。担当の橘(田川可奈美)は、たゑの前向きな姿勢に触れ、次第に応援するようになる。ある日、仕事一辺倒で退職を機に熟年離婚をした能勢雄一郎(山本學)と出会う。求めるパートナー像に共感し、誠実そうな能勢に好感を抱いたたゑは、彼ともう一度会いたいと思う。息子の反対をよそにたゑは能勢とデートをし、初恋のような胸のときめきを感じる。彼と過ごす時間が幸せに満ち、彼の存在がたゑの中で大きくなっていたが、その様子に亡夫の親友で燦燦会の会長を務める森口慎二(宝田明)は気をもんでいた。そんな中、たゑの心の傷に触れるような秘密を能勢が抱えていることがわかり、思い乱れた彼女は心身の過労から倒れてしまう。夫を置いて幸せになろうとしていたと悔い、息子の言う通りに介護を受けようとする彼女を、再び前向きにする出来事が起こる……。