透光の樹 2004-10-03
公開:2004-10-03/製作:2004年
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解説
25年振りの再会によって恋情を再燃させた中年男女の、生と性と見つめたドラマ。監督は「絆―きずな―」の根岸吉太郎。第35回谷崎潤一郎賞を受賞した高樹のぶ子の同名原作を基に、「天国までの百マイル」の田中陽造が脚色。撮影を「幽霊VS宇宙人/食卓の宇宙人」の川上皓市が担当している。主演は、「月の砂漠」の秋吉久美子と「おにぎり 〈ARCADIA物語〉」の永島敏行。第78回キネマ旬報日本映画ベスト・テン第10位、第59回毎日映画コンクール音楽賞、技術賞(熊谷秀夫)受賞、芸術文化振興基金助成事業作品。
あらすじ
映像制作プロダクションの社長・今井郷は、仕事で訪れた石川県鶴来で、若い頃に取材した刀鍛冶・山崎火峯の娘・千桐と25年振りに再会した。多額の借金を抱え、寝たきりになった父の介護をしながら、離婚した夫との子である眉と3人で暮らしている千桐。そんな彼女に、くすぶっていた想いを蘇らせた郷は、借金を肩代わりする代わりに愛人にならないかと話を持ちかけるが、果たして千桐はそれを承諾した。春、郷と千桐は金沢で結ばれた。交われば交わるほどに、深まっていくふたりの気持ち。しかし、その時既に郷の体を病魔が蝕んでいたのだ。直腸癌。だが、延命治療より千桐との逢瀬を選んだ彼は、再び石川を訪れると千桐と激しく求め合った。千桐のもとに郷の訃報が届けられたのは、それから半年以上が経った頃のことだった――。15年後の平成16年。年老いた千桐は、アルツハイマーにかかっていた。最早、眉のことも孫のことも分からない。それでも、彼女が幸せそうに見えたのは、郷との愛を貫いたからなのだろう……。