百合祭 2001-11-25
公開:2001-11-25
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あらすじ
73歳の宮野理恵さん(吉行和子)をはじめ、老嬢ばかりが住むレトロな洋館の毬子(まりこ)アパートに、ダンディで陽気な75歳の三好さん(ミッキーカーチス)が引っ越してきた。世間からは「お婆さん」としてしか扱われない彼女たちを、立派なレディ扱いして、華やかなリップサービス、時には手を握るなどのソフトタッチも試みる。これには、長い苦難の人生を歩んできた彼女たちも、大家の奥さん(正司歌江)を先頭に、すっかり魅惑され、甘い蜜に群がる蝶々の群れのよう。三好さんは、老嬢たちのサンクチュアリのプリンス、光源氏として、一時期君臨する。宮野さんもまた、すっかり忘れていた体の奥の甘美な感覚を取り戻し、三好さんとセクシュアルな接触を持った。若い頃のセックスとは様相が異なるが、体を重ねた時の柔らかな感触に陶然となる。しかし、次第に三好さんの意外な過去と実像が明かになってくる。そして誰もが「自分とだけ」と思い込んでいたのに、彼はとんだプレイボーイだった。すべてが明白になった時、彼女たちは驚き、怒るが、いつまでも「騙された!」などと恨み言は言わない。三好さんに触発されるなかで、社会が押しつけ、自分たちも受け入れてきた「お婆さん」の役割やイメージを振り払い、自らの内の眠れる欲望に向かい合ったのだ。そして、いささかの躊躇もなく、果敢に<生き直し>を開始する。なかでも宮野さんと横田さん(白川和子)には、意外な展開が待っていた・・・・・・。