メイク・アップ

監督: 中原俊
脚本:神波史男
公開: 1985年/製作:1985年    old
日本
 

解説

 若一光司の原作『海に夜を重ねて』をもとに、神波史男が脚色し中原俊が監督した。
 ピークを超えたストリッパーのマミは、マネージャーもつけずフリーで全国の劇場を廻っていた。大阪の劇場で知的障害のある民夫と出会った彼女は、一緒に旅に出ようと誘い、二人で旅回りをすることに。民夫はマミを姉のように慕い始めるが、博多の劇場でたちの悪いダンサーの美希に因縁をつけられたことから、自分の世界に閉じこもるようになってしまう。関東に戻ったマミはかつて恋人だった津島と一夜を共にするが、翌朝、雨の中を待ち続ける民夫から「どこにも行かないで」と言われ、思わず彼を抱きしめた。ある日、客の態度に腹を立てたマミは怒りの矛先を民夫に向け、彼が大事にしている石を隠してしまう。

あらすじ

三十歳にもうすぐ手の届くマミは、マネージャーもつけずに一人、旅廻りをしているストリッパーだ。大阪の劇場で彼女は下働きをしている少年、民夫と出逢う。彼は少し知恵が足りないため、劇場の人々から軽く扱われ時には殴られたりしていた。マミは親がわりの長野にも見捨てられた民夫に、一緒に旅に出ようと誘う。徳島の劇場で、マミは狙さん格の晴美と再会する。晴美は歳下の新しいマネージャー、明と一緒だった。博多の劇場で、たちの悪い踊子のファンシー美希が、民夫を部屋に連れ込んだあげく、マミに対し民夫が太腿を噛んだと因縁をつけてきた。マミが慰謝料を払って落着したが、民夫は深く傷つき自分だけの世界に閉じ込もることが多くなった。毎日部屋で思い出の小石を並べ続けている彼にマミは苛ちを覚えはじめた。関東の劇場に移ったマミは、民夫の将来を考え、スナックのママ、美子に民夫の仕事口を紹介してもらう。その夜、マミは昔の恋人のカメラマン、津島と一夜を共にした。翌朝、雨の中で民夫がマミを待ち受けており、「どこにも行かないでこれをあげるから」と小石を差し出した。思わず民夫を抱きしめるマミ。海辺の温泉街にマミと晴美は巡業に来ていた。民夫は劇場の支配人、河井の娘で小学生の京子と仲良くなった。民夫は相変わらず石並べを続けている。それは父親と子供の頃に行った須磨の海の想い出がこもっているようだ。ある日、客の態度に頭に来ていたマミは、石並べをしている民夫にイラつき、石を隠してしまう。田んぼに捨てたというマミの言葉に、民夫は石を探しに行く。泥だらけになった彼は、「マミさんの嘘つき」と舞台にあがり、マミの首を絞めるが明に止められ失踪した。ひとりになったマミは、初めて民夫が愛の対象であったことに気付く。京子から海の方へ民夫が向かったというのを聞いて、マミは車で海に向かった。そして、海を眺めている民夫を一見つけて抱きあうのだった。

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