日本のいちばん長い夏 2010-08-07

公開:2010-08-07/製作:2010年    old
 

解説

政治家や官僚、元軍人の知識人などが、それぞれの立場で第2次世界大戦の体験を語る座談会を書き記した同名ノンフィクションを文士劇スタイルで映画化。かつて映画化もされた半藤一利の原作に基づき、出演者たちの戦争体験も交えて構築する。各界からユニークなキャストがそろい、弁護士の湯浅卓や作家の島田雅彦、ジャーナリストの鳥越俊太郎や田原総一朗らが座談会メンバーを熱演。彼らの話から終戦間際の混乱と真実が伝わってくる。

あらすじ

2010年の夏、1人のテレビ演出家(木場勝己)が、終戦に関するある出来事の映像化を計画していた。彼の父は戦争経験者だが、その口から戦争の話を聞いたことがなく、人生や生き方を語り合ったこともなかった。1945年に復員した父は、戦後どのような思いで生きてきたのか?父の話を聞きたい。彼が映像化を考えたのは、1963年6月20日に開催された座談会『日本のいちばん長い夏』だった。そこでは、終戦時に政治や軍の中枢にいた者から前線の兵士、庶民など28人が一堂に会し、約5時間に渡って終戦について熱く語り合ったのだ。敗戦で焦土と化した日本だったが、奇跡的な復興を遂げ、1963年当時は高度経済成長真っ只中。団地が次々と建設され、テレビや電気冷蔵庫、自動車までもが庶民の手に届くようになった時代。翌年には東京オリンピック開催も決定しており、まさに日本中がお祭りのような明るさの中にあった。そんなときに、この座談会を企画したのは当時、雑誌の編集部員だった作家の半藤一利(池内万作)だった。演出家は半藤への取材を敢行し、同時に当時の座談会の再現を試みる。演じるのは俳優だけでなく、現在第一線で活躍する多数の文化人という異色のキャスティング。撮影の合間には彼らにも取材を行い、それぞれの戦争観を問う。中には終戦時、まだ生まれていなかった者も。ここで語られるのは、“日本政府はなぜポツダム宣言を最初黙殺したのか?”、“ソ連を仲介とする和平工作の失敗から見えてくるものとは?”、“ポツダム宣言受諾から8月15日の終戦までの経緯”、“当時の庶民の生活や意識、また戦地の兵隊たちの想いとは?”、さらには原爆投下、沖縄の惨劇など、議題は多岐にわたりながら、さまざまな立場、さまざまな世代による多角的な意見の交換は、やがて戦争の真実を明らかにしていく。それは演出家にとって、果たせなかった父との初めての対話でもあった……。

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