真木栗ノ穴 2008-10-18

監督: 深川栄洋
脚本:深川栄洋,小沼雄一
公開:2008-10-18/製作:2007年    old
日本
 

解説

気鋭の恋愛・ホラー小説の女流作家として活躍する山本亜紀子の「穴」を映画化した異色ファンタジー。自室の壁の穴から若い女が住む隣室を毎日のようにのぞきこみ、その女のとりこになっていく小説家の姿を、『同級生』の深川栄洋監督が描き出す。主人公の真木栗を『休暇』の西島秀俊が好演するほか、『夕凪の街 桜の国』の粟田麗、テレビドラマ「怨み屋本舗」の木下あゆ美らが共演。現実と妄想の間で展開する不可思議なストーリーが深い余韻を残す。

あらすじ

古都鎌倉・切通し。古い木造アパートに住む売れない作家・真木栗勉(西島秀俊)は、部屋に2つの穴を発見する。西側の穴からは、隣室の佐々木(北村有起哉)をのぞき見ることができ、東側の穴をのぞくと、人は居らずちゃぶ台だけが見えた。ある日、真木栗は週刊誌の編集者・森本(利重剛)から官能小説の執筆を依頼される。しかし、真木栗に書けるはずもない。ただ時間だけが過ぎ去る中、真木栗は白い日傘をさし、アパートを見上げている女を目にする。女は部屋を探しているようだった。真木栗が西側の穴をのぞくと、女と佐々木が情事を繰り広げている。真木栗は“穴”から見る出来事をネタに小説を書きはじめた。真木栗が宅配業者から荷物を預かった夜、物音のする東側の穴をのぞくと、女がいる。慌てて荷物を渡す真木栗。それは、あの白い日傘の女・水野佐緒里(粟田麗)だった。真木栗の担当編集者・浅香(木下あゆ美)は、小説に出てくる穴が実在するような気がして、彼にたずねるがはぐらかされてしまう。そんなある日、真木栗は先日の宅配業者が佐緒里を襲う情景を書いていた。ふと、穴から女の部屋をのぞくと、宅配業者が部屋に押し入り、佐緒里を襲いはじめた。真木栗は妄想と現実の境目が曖昧になり、日に日に頭痛が酷くなる。その数日後、真木栗はあの宅配業者が死んでいたという新聞記事を見つける。目にみえてやつれていく真木栗を気にかける浅香が、真木栗の小説が掲載された週刊誌をめくると、佐緒里の写真が目に入る。佐緒里はIT長者の妻だったが、世間のバッシングに耐えられず没落する夫と心中を計ったという記事だった。真木栗は彼女のことが忘れられず、実家から送られてきた梅酒を持って隣の部屋に入っていく。暗闇の中、並んで梅酒を飲むふたりの姿がそこにあった。浅香が真木栗の原稿を取りに来るが、真木栗はいない。いま通ってきた切通しを戻る浅香の横を、浴衣姿の佐緒里がすれ違っていった……。

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