戦争と青春 1991-09-14

公開:1991-09-14/製作:1991年    old
 

解説

 早乙女勝元の同名小説を作者本人が脚色し映画化。今井正監督が「ひめゆりの塔」以来9年ぶりにメガホンを取ったが、これが遺作となった。東京の下町にある花房モーターズ。娘のゆかりは昔の話を聞こうと質問するが、父の勇太はなぜか答えようとしない。ある日、勇太の姉である清原咲子が、道路に飛び出した子供を助けようとして交通事故に遭ってしまう。そのとき咲子は「蛍子、あぶない」と叫んでいた。父はゆかりに昔の話を語り始める。咲子は戦争で蛍子という名の私生児と生き別れ、以来45年、子供と別れた黒こげの電柱の前に立っていたのだった。

あらすじ

高校の課題で家族の戦争体験を聞くことになったゆかりは、さっそく父・勇太に問うが勇太は口を開こうとしなかった。そんなある日、ゆかりの伯母にあたる咲子が町の焼け焦げの電柱横の道路に飛び出した子供を救おうとして交通事故にあう。咲子には空襲で生き別れになった娘がいた。そこでようやく口を開いた勇太の話から、咲子の過去が語られる。戦争中、咲子は弟(勇太)の担任だった教師・風見と恋に落ちるが、その愛を育む間もなく風見に招集礼状が届く。しかし風見は徴兵を拒否し、北海道に逃亡する中で非業の死を遂げるのだった。咲子は風見の子を身ごもり生むが、3月10日の空襲の混乱の中で子供と生き別れになってしまう。それから45年、咲子はいつも子供と別れた焼け焦げの電柱の前で待ち続けた。そんな折、韓国から李順益が一目自分を生んだ母親に会いたいと成田空港に降り立つ。自分は赤ん坊の時、空襲の中で母の手からはぐれ、朝鮮の人に救われ育てられたという李順益の姿に、ゆかりは咲子の姿をダブらせるが、結局、その手掛かりがつかめぬまま李順益は韓国に帰っていくのだった。

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