花園の迷宮 1988-01-25

公開:1988-01-25/製作:1988年    old
日本
 

解説

 江戸川乱歩賞を受賞した山崎洋子の同名小説を、松田寛夫が脚色し伊藤俊也が監督した。撮影は木村大作、音楽は池辺晋一郎がそれぞれ担当。
 昭和十七年、秋元多恵が主人を務める横浜の遊廓ホテル福寿老に、美津と冬美の姉妹が売られてくる。その翌日、多恵の夫の市太郎が他殺体で発見され、ボイラーマンの荘介も腹を刺されて重体になった。カナダから帰国した市太郎の姉のキクは多恵が犯人に違いないと証言、警察も多恵を拷問するが、回復した荘介の証言により多恵は釈放された。だが今度はキクが殺され、キクに客を取らされ投身自殺した美津の遺体も見つかった。すべての部屋の会話が地下のボイラー室で盗み聞きできることに気づいた多恵は、荘介が犯人だと知り激しいショックを受ける。

あらすじ

昭和十七年、横浜の廓ホテル・福寿楼に冬実と美津という二人の女の子が売られてきた。ここの女主人は秋元多恵という美貌の持主だった。翌日、多恵の夫・市太郎が浴槽で惨殺された。ボイラーマンの荘介も脇腹を刺されて重体、さらに運河には地下溝を修理中の職人が殺されていた。そんなときアメリカから市太郎の姉・キクが帰ってきた。キクは多恵を犯人と決めつけ、警察もまた多恵が市太郎に睡眠薬を飲ませた事実から彼女を疑っていた。しかし、意識を取り戻した荘介の証言で多恵は救われた。ある夜、多恵はボイラー室の排気ロダクトから館のすべての部屋の声が聞こえることを知った。荘介は館の秘密を知りつくしていたのだ。多恵を執拗にいじめていたキクが殺され、美津も自殺した。真相はわからずじまいだった。そして、さらにエレベーターの中では百合と武官中尉が折り重なるように死んでいた。すべての殺人は荘介の仕業であることを知った多恵は愕然とした。それは荘介の多恵に対する愛の形だった。荘介は多恵に真相を告白しつつ、彼女を殺そうとした。しかし、多恵は裸になって荘介を誘惑し、キスをするふりをしながら荘介の舌を噛み切った。そして棺の中の武宮の遺体と交換し、愛する武宮の遺体をコンクリートで暖炉の中に塗り込めたのだった。現代の横浜。旧福寿楼の建物が壊され、暖炉があった壁の中から白骨化した死体が発見された。

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