日置にとって野淵先生は最も尊敬する先生であったが、同時に何かしら不可解な心情を覚えた。先生には美しい奥さんがおり、子供はなく静かな家庭だった。先生と奥さんの仲は決して悪いのではないが、かといって幸福とも思えなかった...。夏目漱石の名作に市川崑が真っ向から挑む野心作。