たみおのしあわせ 2008-07-19
解説
何事も成り行きまかせの息子と、子離れができずにいる父親が、周囲の人々に翻弄(ほんろう)されながら結婚に向けて奮闘する姿を描いた結婚狂想曲。監督・脚本は、劇作家、演出家として絶大な支持を集め、俳優としても活躍する岩松了。幸せになりたいカップルを、人気ドラマ「時効警察」の名コンビ、オダギリジョーと麻生久美子が演じる。主人公の父親にベテラン原田芳雄がふんするほか、小林薫、大竹しのぶなど日本映画界きっての実力派が脇を固める。
あらすじ
とある郊外の町。神埼民男(オダギリジョー)は、父・伸男(原田芳雄)と共に暮らしている。二人が住んでいるのは亡き母の実家で、離れには医者の祖父が使っていた診療所があった。民生は、伸男が勤める会社の社長の紹介で瞳(麻生久美子)と見合いをする。女性とのつきあいがあまり得意でない民男であったが、瞳が巧みにリード、トントン拍子に縁談がまとまる。そんな中、神崎家では外出前に消したはずのエアコンが付いていたり、家の中がタバコ臭かったり、奇妙な出来事が相次いでいた。伸男は、以前交際していた宗形(石田えり)が嫌がらせで家に侵入したのではないかと考えるが、実はニューヨークで一旗揚げる夢に破れた義弟・透(小林薫)がこっそり帰国して天井裏で暮らしていたのだった。そうとは知らない伸男は、密かに交際している部下の宮地(大竹しのぶ)の助言に従い、玄関の鍵を取り替える。ある日、伸男の留守中に訪ねてきた宮地が透と鉢合わせ。宮地は透の話を聞くうちに、自分と似ている部分を感じ始め、やがてお互いに愛しあうようになる。民男と瞳の家族の会食が行われた直後、透が出した偽の帰国予告の手紙が届いた。1週間後。正式に民男と伸男の前に現れた透は、そそくさと神埼家を後にし、宮地と同棲を始めるのだった。そんな事情を知らない伸男は、無断欠勤を重ねる宮地を心配する。一方、伸男の部下の山室から、伸男と宮地の関係を教えられた民男は、自分と同じように父も結婚してほしいと願うが、程なくして透と宮地が付き合っていることを知る。宮地の心変わりを父に伝えることができない民男。そうこうしているうち、ついに民男と瞳の結婚式の日がやって来た。しかし式場には、宗形、宮地、透の姿もあり、なにやら不穏な空気が漂っていた…。