写真の女 2021-01-30
解説
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020 SKIPシティアワードを受賞した異色のラブストーリー。古ぼけた写真館を営む械は傷を負ったキョウコと出会う。彼女に頼まれ画像処理した傷のない美しい姿の写真を作り出したところ、理想と現実に挟まれキョウコは混乱する。監督は、『ブラックサンダー ラップバトルシリーズ』などのCM制作をする一方、「声」などの短編作品を手がけ国内外で評価を得てきた串田壮史。本作が初長編作品となる。劇団『青年団』の永井秀樹と、ダンサーとしても活動する大滝樹が、「声」から続いて共演。第15回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門にてプレミア上映。第3回門真国際映画祭最優秀助演女優賞(鯉沼トキ)はじめ国内外の映画祭で多数受賞。
あらすじ
小さな写真館にひとり暮らす“写真レタッチャー(補正加工する人)”械 は、ある夏の日、森の奥で 不慮の転落で怪我をし、胸元に大きな”傷のある美しい女”キョウコと出会った。 女性恐怖症の械は、馴れ馴れしく付いてくるキョウコに戸惑うも、行く当てが無く困る彼女を仕方 無く一緒に住まわせる事に。 械はキョウコに頼まれ、画像処理によって傷のない美しい姿を生み出した。 その加工された自身の姿に魅了されるキョウコ。 しかしSNS上では、ただ美しいだけでは評価さ れず、皮肉にも、傷ついた醜い本当の姿をさらす事で沢山の人が興味を抱いてくれた。 「理想の自分」と「現実の自分」、彼女にとっては世界のすべてであったSNSの中で、二つの自分の 溝に挟まり精神的混乱に陥ってしまったキョウコは、やがて、完全に自分の存在意義を喪失する。 もはや、自分だけがキョウコを救うことができると感じた械は、まるで、メスに共食いされてしま うカマキリのオスの様に、“死を覚悟して”女を愛し、彼女のすべてを写真に収め続ける事を決意した。