翼は心につけて 1978-10-14
解説
関根庄一編著『翼は心につけて―ガンと闘って死んだ十五歳の少女が教えてくれたこと』を、堀川弘通が脚本(寺島アキ子と共同)を書き監督した感動のドラマ。本作でデビューを飾った石田えりが、癌に冒される主人公を熱演した。
十五歳の鈴木亜里は、両親と弟と団地に住む普通の中学生だった。だがテニスの練習中に激痛が走り、病院での検査の結果、骨肉腫であることが判明する。他への転移を防ぐためには右腕の切断しかないと医師から説明され、両親は病名を隠して亜里を説得。亜里は涙も流さず同意し、切断される方の腕にマニキュアを塗るのだった。手術後、亜里は「学校に戻りたくない」と言い張るが、病院で懸命に働く人たちの姿に感動し、ケースワーカーになるべくリハビリと勉強に励むようになった。
あらすじ
鈴木亜里、十五歳。共働きの両親、弟と団地に住む平凡な女の子。ある日、テニスの練習中、突然襲った激痛にラケットを落とす亜里。検査の結果骨肉腫とわかり、医師から他への転移をふせぐため、右腕の切断の同意を求められた父母は生きる可能性があればと、病名をかくして、亜里に話した。涙もこぼさずうけ入れる亜里は、その腕にマニキュアをし、指輪をはめてみた。「学校へなんか戻らない。テニスも出来ないし、勉強なんかしたくない」と手術後の回復訓練も、友人の見舞いも拒絶する亜里。だが、そんな亜里も、生命をまもるためにつくす病院に働く人々の姿に次第に心を開く。「ケースワーカーなら片腕がなくてもできる」と生きる目標をつかんだ亜里は、今までの遅れを取り戻そうと勉強、機能訓練に猛然といどむ。あちこちの病室で彼女の明るい笑い声が聞こえた。だが、医師は両親に「ガンが転移し、治療法はワクチンだけ、それが効かない時は来春まで……」とつげるのだった。ケースワーカーになるには、どうしても大学へ行かねばと、永和高校を志望したが、今の偏差値では無理と言われた亜里。しかし、亜里の熱意に、教師は出来る限りの応援を送り、級友も彼女を励まし、ささえるのだった。努力はむくわれ、亜里は高校入試合格の喜びを手にしたが、亜里の残された僅かな生命も燃えつきようとしていた。